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あしあと

    館長が語る(都跡公民館)

    • 更新日:2020年6月11日
    • ID:10630

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    都跡公民館館長 大谷 華代子(おおたに かよこ)

    こんにちは。

    都跡公民館の大谷華代子と申します。

    2020年度がスタートしました。

    今年は新型コロナウイルスの影響で活動自粛のお願いをするなか、大好きな都跡の地で7年目を迎えさせていただきました。

    会いたくて

    いつもなら来館者のみなさんと、ワイワイガヤガヤとたわいもない話に花が咲く都跡公民館ですが、今年度はとても静か・・・。

    やがて4月10日からは臨時休館となり、誰も訪れなくなった公民館。

    私にとっては、手足をもぎ取られたようでとても辛く、たくさんのみなさんの顔が次々と浮かび、その度に涙がこぼれます。

    会いたくて、みんなに会いたくて!

    みんなで乗り越えていきたい!

    このかつて経験のない状況で、今公民館職員としては、「一体何をしたらいいのだろうか?何をすることが、正しいのか?」答えは見えません。

    居ても立っても居られなくなった私たち公民館職員は、4月の末に、「みんなで乗り超えていきたい!元気を出そう!離れていても、心はひとつ」のメッセージをこめて、大きな看板を公民館の玄関の屋根に取り付けました。

    写真

    【こいのぼり】
    いつもは、子育てサロンの時に子どもの可愛い手形をウロコにするのですが、今年はできなかったので、来館された方や職員がウロコにメッセージを書きました。

    写真

    【看板の作成】
    講座室をいっぱいに使って作りました。
    ハートは「心はひとつ」の思いを込めて。
    そして、魔よけの赤です。

    写真

    こいのぼりさん!
    今年はここで泳いでね♪

    写真

    こんな感じで掲げました!

    写真

    思いはきっと届くと信じて・・・。

    写真

    唐招提寺東の秋篠川ほとりの「仲よし公園」からの眺めです。
    ここから時折聞こえてくる、子どもたちのはしゃぐ声とオカリナの音色にずいぶん心が和みました。

    落ち込む

    でも、この看板のことをみなさんに伝える手段がない。

    そもそも外出自粛の状況下で、「看板を見に来てください!」とは言えない。

    公民館だよりで伝えることもできるが、今は配ることができない。

    せめて公民館もSNSを活用していれば、「お買い物やお散歩の途中にご覧くださいね。」と発信することができるのにと悔やまれる。

    どうすることもできない無力さに、私の心は閉塞感が増すばかりです。

    寝つきが悪くなり、悪夢を見たりもしました。

    人と会わない生活が続き、メディアから入ってくる情報は新型コロナウイルス感染拡大のことばかり。

    みなさんのなかにも、不安がいっぱいで心が塞ぎがちになられた方も多いのではないでしょうか?

    ただひたすらに

    落ち込んだまま、図書室の絵本の蔵書リストの作成に取り組むことにしました。

    本のタイトルなどの情報を入力していくのですが、その前に絵本の汚れを落としていきます。

    一見美しいのですが、意外と汚れています。

    余計なことは考えず、ただひたすら美しくなるように絵本を1冊ずつ布で拭いて汚れを落としていきます。

    不思議なもので、この作業をしていると、あれもこれもと考えていた頭が空っぽになっていきました。

    そのうち、「私は公民館職員なんだから、今何かをしないといけない!」「今私が・・・。」と、凝り固まっていることに気づきました。

    それは、とても傲慢なこと。

    この状況に抗うのではなく、流れに身を任せてもいいのではと思えるようになりました。

    写真

    【図書室】
    全部の本のリストが完成するのはまだまだですが、少しずつ歩み始めました。
    第3土曜日の「なかよし文庫」が、待ち遠しいです。

    独りじゃない

    職員一同、力を合わせて大掃除にも取り組みました。

    公民館が再開した時に、みなさんに心地よく窓を開けていただけるように、窓枠・網戸の汚れを落とす。

    そして窓ガラスと壁を磨く。

    ただひたすら磨く・・・(壁磨きは失敗して、余計に汚れが目立ってしまい。管理人さんにたくさん助けていただきました!(笑))。

    これからの公民館については、再開してからみなさんといろいろ意見を出し合い、新しい公民館を創っていけばいいじゃないか!

    元々公民館は、みんなで知恵を出し合って歩んでいく場なのですから!

    そう思えるようになっていきました。

    どんな時でも、独りじゃない!

    みんなつながっているのだから・・・・。

    一緒に歩んでいきましょう!

    新型コロナウイルスとの戦いは、共存へと変化し、私たちの生活も新しい様式へと移行していくことになりました。

    ようやく校庭に、園庭に、街にも子どもたちの姿が戻り、そして公民館にも、みなさんが帰ってきました。

    まだ自粛をお願いしているグループさんもありますが、一歩ずつ共に歩んでいきましょう!

    新しい公民館を、一緒に考え、築いていきましょう!

    出会える喜び

    今の私の心境をお伝えするのに、ぴったりの詩がありましたので紹介します。


    『今ここで』

    すずきゆかり作


    元気な顔を見せてね

    とは言わないよ

    元気じゃない顔でもいい

    顔を見せてください

    笑った顔

    怒った顔

    泣いた顔

    生きている顔

    この億万光年の時空の中で

    奇跡的に

    すれちがうこともせず

    あなたが生きている顔を

    見られるしあわせ

    ※出典:「『一編の詩があなたを強く抱きしめる時がある』水内喜久雄編 PHP研究所」

    みなさんに出会えることが、何よりも嬉しくて・・・。

    「世代を超えて互いが認め合い、尊重し合える地域をめざして!」頑張っていきます。


    幸せ感じる公民館

    みんなで創る都跡公民館


    みなさまのご来館を、心よりお待ちしております。

    写真

    今年の藤は、青空に映えてとても綺麗でしたよ。

    写真

    アマリリス
    見事に咲きました!
    赤は魔よけの色です。
    力をいただきました。

    写真

    お気づきですか?
    藤棚が美しくなりました!
    臨時休館中に、奈良市の職員と都跡公民館職員とでペンキの塗り替えを行いました。

    [2020年6月]