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あしあと

    こんな講座ありました(都跡で望む山焼き~薬師寺花会式のおはなし他~)

    • 更新日:2017年4月27日
    • ID:7547

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    都跡で望む山焼き~薬師寺花会式のおはなし他~<都跡公民館:2017年1月28日(土)>

    都跡公民館はかつての平城京の跡地に立地し、若草山を眺望するには絶好の位置にあります。

    「都跡で望む山焼き」は、江戸時代から続くとされる奈良の伝統行事である若草山焼きを館内より鑑賞し、望む景色の素晴らしさで山焼きに親しんでいただこうと、毎年開催しています。

    今回は、都跡公民館に集うことで共に地域への愛着や平和について感じてもらうことを目的として、1部に都跡地域の魅力のひとつ「薬師寺花会式」のあまり触れられることのない花造りのお話。

    2部はフルートアンサンブルのコンサート。

    そして、3部は、みんなで共に山焼き行事を鑑賞するといった3部構成で開催しました。

    また、男性茶道の自主グループさんのご協力でお茶席体験もありました。

    1部 薬師寺花会式~幸せの花造り~

    はじめに、薬師寺執事の松久保伽秀さんから「薬師寺花会式について」と題してご講演いただきました。

    通称「花会式」と言っていますが、修二会と言う行事で、日々の私たちの過ちをお薬師さんの前で謝り、幸せをお願いする悔過法要であることをとてもわかりやすくお話しいただきました。

    また、薬師寺に限らず奈良の文化が、庶民をはじめ大切に思う多くの人々の手によって守られ、受け継がれてきていることも話していただきました。

    そのあと、花会式の名前の由来となったお薬師さんの前に飾るお花を作っておられる橋本さん・増田さん母娘を交えて、奈良民俗文化研究所の鹿谷勲さんの司会でトークショー「幸せの花造り」を行いました。

    それぞれのお家で、どのようなお花を、どんな風に作っているのか・・・

    花造りを代々受け継いでいく中でのご苦労やこれからの決意なども、熱く語っていただきました。

    ご両家が揃って市民の方々の前でお話しをされることは今までになかったことで、ご両家にとっても、参加者約60人のみなさんにとっても、とても感動の講座となりました。

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    東大寺のお水取りと同じで、花会式は通称名です。
    本当は、薬師寺修二会。
    お寺にとって、とても大事な行事のひとつです。

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    知らず知らずに犯している罪も、私たちに代わってお薬師さんにお詫びをして、国家繁栄、万民豊楽、天下泰平等を祈ってくださっています。

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    橋本家では、椿・山吹・梅・菊・藤・牡丹の6種類を作っています。

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    増田家では、桜・桃・杜若・百合の4種類を作っています。

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    増田家は、薬師寺に近いこともあり、桜のような繊細な花を作っています。

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    お花の材料は、和紙や竹、タラの木など、すべて自然の物を使っています。

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    (桜の花の実演中)
    増田家の桜、桃。
    橋本家の梅。
    両家共、めしべには鹿のお尻の毛を使っています。
    めしべのことは「におい」と言います。

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    花の花粉になる黄色い部分には、薬草に使われるキハダが使われています。
    他にも、クチナシなどを用いていて、造花が薬草替わりになっています。

    薬師寺執事の松久保伽秀さんの写真

    薬師寺執事の松久保伽秀さんから
    花造りをされているご両家のお話は、寺の者でも初めて聞かせていただきました。
    地縁は大切で、人と人とのつながりが、時代を超えてつながっていきます。
    ここにお集まりのみなさんが受け取っていただいた気持ちが、時代を超え伝統につながっていきます。
    この地縁を大切に・・・。

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    鹿谷勲さんより
    伝統に基きながらも、新しい工夫を取り入れながら、心をこめて、人々のために丁寧にお花を作りあげておられる方が、今、目の前にいることは嬉しいことです。
    長らく途絶えていたご両家の交流が、昨年の春に公民館の働きかけで復活しました。
    これからも、両家手を携えながら歩んでいってください。

    2部 フルートアンサンブルコンサート

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    ママさんブラスnaraのみなさんによる演奏。
    フルートの柔らかい音色は、幸せな気持ちにさせてくれました。

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    最後に、会場のみなさんと一緒に「365日の紙飛行機」を歌いました。

    お茶席体験もありました!

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    1階の和室では、都跡公民館の男性茶道の自主グループ「歓茶会」のみなさんによる、お茶席体験もありました。

    3部 山焼き行事の鑑賞

    花火の写真

    2階大会議室の東窓から見える花火

    山焼きの写真

    山焼きを眺めながら、みんなで平和を祈りました。

    参加者の声

    • 修二会の歴史等、大変良い身近な話でおもしろくて感動して聞きました。花の作り方、家族の苦労など問題を克服して伝統を守っていることが分かり、楽しかった。
    • 花会式がよくわかりました。お花造りをしている両家の方々のご苦労と心いきが素敵でした。とても感動しました。
    • 今年は、このお話を思い出しながら、花会式に行きたいと思います。
    • 伝統を継承する家に生まれ、母たちのしていることのすばらしさに感動したのでしょうか?増田さんの娘さんの涙にいたく感動しました。
    • 悔過の大切さ、松久保執事さんの講話、心にしみます。目をおおいたくなるような事件の多い昨今、このような話の場が望まれます。
    • 両家のご苦労を聞き、改めて感謝します。
    • 本当に良い講座でした。
    • すべてよかった。満足です。

    *平成29年薬師寺花会式は、3月25日(土)から3月31日(金)まで