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あしあと

    こんな講座ありました(苗から育てる草木染の世界)

    • 更新日:2019年3月12日
    • ID:9839

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    苗から育てる草木染の世界<春日公民館:2019年5月18日(土)~10月20日(日)全6回>

    春日公民館の裏手には、わりと広い敷地があり、どのように活用すべきか悩んでいました。

    そこで今回、この裏庭で草木の苗を植え、育った草木を活用する講座を企画しました。

    その名も、「苗から育てる草木染の世界」。

    身近な植物が染色の材料となることを知ってもらい、公民館の敷地内で植物を育て、摘み取り、加工まで一貫して体験してもらうことを目的に開催しました。

    第1回:5月18日(土)桜の枝

    第1回は、「桜の枝」で染色を行いました。

    また、今後の染色の材料として使用する「藍」の苗を植えたり、すでに春日公民館で育てているミントやマリーゴールドを見ていただいたりしました。

    裏庭の様子

    私たち職員は、今日から毎日、朝夕の水やりを欠かさず行います。
    無事育ってくれるのでしょうか・・・。

    染色の様子

    それでは染色体験です。
    今日の染液は「桜の枝」で作ります。
    桜の木ぎれを入れて煮出し、抽出液を作ります。
    その後、染浴を約20分行い、布全体に染液がなじむようにします。
    続いて、媒染液に約20分つけ、なじませます。
    この作業を3セット繰り返します。


    同じ作業を繰り返すので、みなさん退屈するのでは?と思っていましたが、繰り返すたびにシルクの布が染まっていく様子が興味深く、みなさんおしゃべりを楽しみながら、手を器用に動かし、染色を楽しんでおられました。

    染色したシルク

    完成しましたーーー!!
    どんな色になるのかとドキドキわくわくしていました。
    なんといっても桜の枝ですからね。
    1回目の媒染時は、緑色っぽくなりました。


    そこから、徐々にベージュっぽい色に変わっていき・・・最終的に、ほんのりピンク色になったグループ、ベージュ色に染まったグループなど、同じ染液を使っていても染まり方が異なりました。

    みなさん「自然の植物から出る色は不思議!」と、自然の不思議さを体感されていました。

    第2回:6月15日(土)玉ねぎの皮

    2回目は、前回に「桜の枝」で染色した作品を講師の方が持って来てくださいました。

    素敵な色に染め上がっていて、ほんのり“さくら色”に見えました。

    前回、苗を植えた藍もこんなに大きくなりました。

    さて、今回の染料は、利用者のみなさんにもご協力いただいて集めた「玉ねぎの皮」です。
    たくさんの玉ねぎの皮が集まったので、今回は玉ねぎの皮をたっぷり使って染液を煮出しました。
    なんとも濃い染液の出来上がり!
    シルクの布にどんどん染液が浸透していきます。
    通常なら前回と同じ要領で(染液→媒染液)の行程を3回繰り返すのですが、しっかり染められたので、今回は2回で終了。
    長い布を選んで染色された方は、薄い液と濃い液でグラデーションに染め上げられました!

    玉ねぎの皮で、こんな色に染まりました~!!

    以前に利用者さんから頂いて公民館に保管していた綿の布を同じ染液で染めたところ、なんと、シルクとはまた違った仕上がりに!
    素材によってもこんなに違いが出るものなのだなと、新たな発見がありました。

    次回は、「ミント」を刈り取り、その「ミント」から染液を抽出します。

    部屋中がミントの香りに包まれながらの染色作業になりそうです。

    第3回:7月20日(土)ミント

    今日は、待ちに待ったミントの染色です。
    ミントの葉を摘み取り、贅沢に染料に使用しました。
    煮出すと、思った通り部屋中がミントの香りに包まれました。

    いつもは色を定着させるために媒染液としてミョウバンを使っているのですが、今回は鉄媒染で色を定着させます。
    染色では、染める媒体(綿・シルク・・・)によって色が変わりますし、定着させる媒染液を何にするか(ミョウバン・鉄・銅・すず・・・)によっても色が変わります。

    今回初めて使う鉄媒染も、なかなかいい仕事をしてくれました!
    ミントがこんなモスグリーン色に染めあがりました。
    鉄での媒染は初め黒っぽくなったので、どうなることかとドキドキしていましたが、仕上がりを見てみなさんとても喜んでおられました!

    第4回:8月17日(土)マリーゴールド

    今回は裏庭で育てたマリーゴールドを使った染色です。
    先月のミントの刈り取りと同時にマリーゴールドの花の摘み取りを行い、その後も次々に咲く花を定期的に職員が摘み取り、冷凍保存していました。
    梅雨明けくらいからは、冷凍庫に入りきらなくなり、乾燥させて保管しました。
    今日の摘み取りでもこんなにたくさんの花が取れました。
    さらに、これまで冷凍していた花、乾燥させていた花すべてを使って、染液を抽出します。

    花を不織布に入れて、煮込みます。
    メインは黄色のマリーゴールドを使った染色です。
    黄色だけで染めたものと、オレンジ色と黄色の2色を混ぜて染色したものは、微妙に異なる染め上がりになりました。
    今回もできあがるまで、どんな色になるのか、みなさんワクワクドキドキ。
    染色は染液につける作業と媒染液につける作業を繰り返して行う長時間にわたるものですが、回数を重ねるごとに、受講生のみなさんが慣れてきたのか、スムーズに染色が進み、早く染め上がるようになっています。

    次回は、またまた裏庭で栽培中の藍での染色です。

    藍は煮出すのではなく揉み込むような、これまでとは異なる方法での染め方になるそうなので、これもまた楽しみです!

    第5回:9月21日(土)藍

    今回は、本講座の初回に植えた藍を使った染色です。
    これまでの煮出して染液を作る方法とは異なり、生葉を揉んで染液を作ります。

    まず、裏庭で育った藍の葉を水で洗い、細かくちぎりました。
    その後、不織布で包み、水の中で揉みこむことで、徐々に水の色が変化し、ドロっとした感触に変わってきました。

    そうやって作った染液に、布を入れ、ジャブジャブ漬け込みます。
    いつもは染液につけた後、媒染液につけるという行程を繰り返すのですが、今回はこの媒染液にもつけません。
    なんと、空気発色なのだそうです。
    藍の葉・・・と聞くと、藍色に染まるのかと思い描いてしまいそうですが、染まった色はキレイな水色に近い淡い色あいです。

    長さのある布でグラデーションに染める方や、全体を薄く、または濃く染める方など、
    今回もオンリーワンのストールが仕上がりました。

    藍の葉を揉みこむ作業は、思っている以上に指の力を使います。
    また、使う葉の量も多かったので、裏庭に植えた藍の葉はすべて使い切りました。

    第6回:10月20日(日)型染め

    今回は、これまでの染色とは異なり、型を使ってオリジナルグッズ(トートバッグやTシャツ)を作製しました。

    自分の好きな柄に好きな色で染めていきます。
    型をはめている時には仕上がっている実感はないのですが、
    ちょっと型を外して覗いてみると、想像もしていなかったような柄が現れました。

    あまりのぞき見をすると型がズレてしまうので、見たい気持ちを抑えながら、仕上がりを楽しみに、集中して取り組みます。

    いつもはみんなでおしゃべりしながら染液の中で布をゆらゆらさせるのですが、今日は細かい作業なので、シーンとした中で作業が続きます。

    型をいろいろと組み合わせて新たな型を作り出す方もいれば、同じ型を使って色を変える方もいます。
    徹夜でオリジナルの型を作ってこられた方もいました。

    参加者の声

    • 草木でいろいろな色がでて、おもしろかったです。
    • 珍しい経験をさせていただきました。
    • 次は、もっときれいな色にも挑戦してみたい。
    • 雰囲気が良く、楽しく受講させていただきました。

    など、楽しく講座を受講していただいた様子がうかがえます。

    今回で主催講座は終了となりましたが、受講生のみなさんの「まだまだやりたい!」気持ちから、自主グループとして活動を継続することが決まりました。

    その名も「染の会(そめのかい) ミント」です。

    詳しくはこちら↓

    http://manabunara.jp/contents_detail.php?frmId=10256

    ご興味のある方は、春日公民館までお問合せください。

    講座を終えて

    この講座は、身近にある植物が染色の材料になることを知っていただきたいと、空き地となっていた裏庭を活用しながら草花を育てるところからスタートしました。

    液につけておく時間が長く、初対面のみなさんの間が持つかなと心配していたのですが、初回からその心配は吹き飛びました。

    初対面とは思えないほど、班を越えてみなさんがつながり合い、声を掛け合いながら、楽しく受講されている姿を見て、この活動が続いたらいいなと思うようになりました・。

    ・・・なので、グループとして活動を続けると決まったときは、私も自分事のように嬉しかったです。

    今後も、みなさんの活動や素敵な作品づくりを近くで見せていただきながら、一緒に楽しませてもらえたらと思っています。

    (乾 千絵)

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