文学講座「金子みすゞの世界」

講師：龍谷大学名誉教授　文学博士　上山大峻さん

　大正末期、すぐれた作品を発表し、西條八十に『若き童謡詩人の巨星』とまで称賛されながら、26歳の若さでこの世を去った金子みすゞ。彼女の作品は、どれも純粋で、優しさにあふれています。そんな彼女の育った風土や人生を知り、彼女の作品を味わう講座を開催しました。

～いのちのうた1・2・3～

金子みすゞさんの生涯を年譜を見ながら、当時の時代背景と共に学びました。
時代背景を学ぶ中で、戦争の話があり、貴重な話を聞くことができました。

「ふるさとの風景」をテーマに、ふるさと山口県・仙崎の風景を映像を見ながら、ふるさとの風景を詠んだ詩を味わいました。

「心の世界」をテーマに、彼女の目に見えないものに目を向けている詩の数々が、信仰の厚い家庭に育ったことが一因しているということを知りました。

積もった雪

上の雪　さむかろな、
つめたい月がさしていて。

下の雪　重かろな、
何百人ものせていて。

中の雪　さみしかろな、
空も地べたもみえないで。

金子みすゞ