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    こんな講座ありました(世代を超えて温かい支援をするために)

    • 更新日:2023年7月12日
    • ID:13296

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    世代を超えて温かい支援をするために<都祁公民館:2023年1月31日(火)>

    奈良市では、子どもや家庭を取り巻く諸問題の解決と、家庭の教育の向上を図るため、家庭教育サポートネット支援事業に取り組んでいます。

    この講座は、子どもの生きる力の基礎的な資質や能力を育成するのに必要な家庭における教育力の向上を目的に開催しました。

    まず、これまでの経緯を説明します。

    都祁中学校区地域教育協議会で協議(方向性の確認とアンケートの実施について)

    都祁中学校区地域教育協議会の初回会議において、今年度から年間計画に位置付ける了解をいただくとともに、協議の時間を作っていただきました。

    協議の場で、今後地域教育協議会のそれぞれの組織が、事業の推進に向けて協力していくことに同意をいただきました。
    また、事業の具体的な検討の前に、都祁の地域の実態把握が必要であることと、新型コロナウイルス感染症により協議の時間の確保が不確定なことから、アンケートの手法で家庭教育に関する実態把握をすることになりました。

    アンケートはフリー回答とし、都祁認定子ども園、都祁小学校、都祁中学校の保護者に学校園を通じて配布・回収するとともに、各団体や公民館でも協力を依頼することと、「都祁公民館だより」で、アンケートについての内容や協力依頼を求めることにしました。

    その後、学校園を通して保護者にアンケート用紙を配布し、8月末をめどに回収箱を設置しました。

    都祁公民館にも、窓口にアンケート用紙と回収箱を設置しました。

    アンケート結果の分析の今後の対応について協議

    アンケート結果を集約し、都祁中学校区地域教育協議会で、結果の共有と分析、今後の対応について協議していただきました。

    子どもに関する回答では、「同学年の仲はいいが、異学年に広がっていきにくい」「車移動が多く、バイタリティーが無い」「両親以外に褒められたり叱られたりしない」「遊びは家に帰ってゲームばかりだ」などの声が寄せられました。

    保護者に関しては、「子育てに関する母親への負担が大きい」「父親は、仕事・自治会の仕事・農作業で多忙」「母親も多忙で、一人にかける時間が足りない」「核家族のため、協力・相談する相手がいない」「コロナ前は友達の家に行く機会があったが、行きにくくなった」「上の子がきっかけでつながって、下の子でもつながっている仲間がいる」「地域の方の協力がありがたい」「兄弟により必要な支援が異なり、難しい」「高校進学を考えると、交通の不便さが進学先選択の上でネックになり、引っ越しさえも考える」「子育て・家庭教育のサポート機関として学校が唯一だが、子育て広場『りりーべるず』の存在は大きかった」といった声が寄せられました。

    アンケート結果を共有した後、小グループに分かれて結果の分析と都祁中学校区としての今後の対応について意見交換していただき、意見を共有しました。

    また、施設設備に関して、「公園や室内あそび場が非常に少なく、桜井市の『ひみっ子パーク』のような親子が遊べる施設が近くに欲しい」「作業療法や言語治療を受けられる施設が近くに無い」「習い事をする場所が近くに無い」「小児科専門病院が近くに無い」「自習する場所が欲しい」といった声が寄せられました。

    今後の取組について、今年度は、地域の家庭教育のサポート力向上に向けて総合的な講演会の実施と、互いがリラックスしてつながりあえるような講座を実施することで意見がまとまりました。

    その後、「フェリアン」副所長の津村薫さんに講演を、音楽療法活動をされている「♪メロディ・アリサ♪」さんに講座をお願いすることに決まりました。

    更に、地域で支援活動を続けておられる「りりーべるず」さんと、都祁保健センターも講演・講座の参加から共に活動協力してくださることになりました。

    講座の様子

    都祁中学校区地域教育協議会で協議とアンケートの結果を受けて、「フェリアン」副所長の津村薫さんの講演会を行いました。

    講演が決まったことを、関係者の方々に報告すると、どの人も「いい方にお願いできましたね。いい講演会になりますよ。」との返事が返ってきました。

    地域教育協議会の皆さんには「期待して来てください!」と呼びかけました。

    そして、津村さんには、事前に地域の状況やアンケートの結果をお伝えし、現状に即したお話をお願いしました。

    講演会には、地域の方・保護者・学校園関係者の方が来てくださいました。

    講演の冒頭では、現代社会全般の子育てに関する課題についてお話しいただきました。

    「地域社会の崩壊」「希薄な人間関係」「伝承のない子育て」「情報の氾濫」「私的領域を優先する価値観や生活態度」など、田舎の雰囲気が残る都祁でも共通する課題であることがわかりました。

    支援で最も重要なことは「あなたが大切です」という思いを伝えることですと教えていただきました。

    そして、相手とのコミュニケーションには、自分自身の生き方が即反映される。自分自身の価値観をよく知っておきましょう。

    価値観を根っことすると、その上に幹や枝があり、そこに葉っぱという言葉がついてくるということです。

    定期的な自己点検が支援の質の向上につながるということでした。

    休憩を交えながら、「子育ての今と昔の違い」についてお話をいただきました。
    「昭和40年代は育児用ミルクの方が母乳より栄養がある」と言われたり、ふろ上がりに白湯を飲ませることもありました。
    しかし、最近の出産を控えた女性の9割が母乳で育てたいと考えておられたり、離乳食が始まるまでは特に水分の補給は必要ないとされたりしているようです。

    また、離乳食や卒乳、抱きぐせ、パパの子育て参加など、時代の流れの中で正しいとされていることも変わってきており、参加者の世代によっても「正しい」と思っている認識にも違いがあることがわかりました。

    より良い支援のポイントとしては「私たちが相手を裁かない(アウトやセーフを決めない、好き嫌い、善悪・正邪で判断しない)」ことで、特に否定的な感情表現を受け止めることを大切に考える。相手の気持ちに寄り添うために、聴くことが大切で、相手をどうにかしようとするコミュニケーションをしないということでした。
    そして、プラスのイメージを伝えることを大切にしましょうとのことでした。

    講演途中に何度か体操やグループでの話など交えて、お話をふりかえる時間がありました。
    まとめとして、「より良い支援のためには、自分自身の心身を整え、バランスの良い生活をしましょう(栄養・睡眠・運動)、ストレスと上手につきあいましょう。」
    というアドバイスをいただきました。

    参加いただいたみなさんからは、津村薫さんの元気が出るお話が良かったと大好評でした。

    お話いただいた「良いところ探し」「強み、持っているものに注目」「プラスメッセージを伝えることを大切に」などを大切にし、参加者それぞれの場面での家庭教育支援につなげていきたいと願って講演会を終わりました。

    講座を終えて・・・

    都祁地域は、子どもの数が少なくなって4つの小学校が1つになるなど、少子高齢化が進んでいます。

    近所に同じ世代の遊ぶ子が少なくなって、放課後や休みの日には室内でゲームの遊びしかできなくなってきている状況があります。

    一昔前は、同世代の子どもがたくさんいたし、刈り取りが終わった田んぼや近くの神社が子どもたちの遊び場でした。

    でも、最近は、遊び相手の家に行くのにも車で送ってもらわなければならなかったり、田んぼで遊ぶと叱られたり、神社も木々がうっそうと茂り危険さえ感じる子どももあるようです。

    「ブランコや滑り台があって、送ってきた人の駐車場スペースがある公園が欲しい。」というのは、子どもたちだけでなく保護者のはもちろん、地域の方の願いであることも今回のアンケートからわかりました。

    アンケート結果を見た自治連合会の方から連絡があり、早速その結果を元に公園づくりへと動き始めてくださることになったようです。

    2022年度の取組が一過性のものにならないように、地域の皆さんと連携しあって、より良い家庭教育をサポートするネットワークが広がっていけるようにしていきたいと思います。