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あしあと

    こんな講座ありました(親子で奈良公園の自然ウォッチング)

    • 更新日:2026年7月9日
    • ID:16326

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    親子で奈良公園の自然ウォッチング<飛鳥公民館:2026年5月23日(土)>

    この講座は、地域の自然遺産である奈良公園をはじめとする、地域の豊かな自然への理解を深めることを目的に開催しました。

    講師は、RLAB代表・奈良県希少野生動植物専門員・奈良教育大学附属小学校元副校長の井上龍一さん。

    当日は、奈良市内各地から小学生と保護者25人が参加され、にぎやかな雰囲気の中でスタートしました。

    参加者の中には井上先生の教え子だったという方もおられ、久しぶりの再会を心から喜ぶ姿が見られました。

    講座の様子

    テーマは、
    ・奈良公園と言えばニホンジカ(ホンシュウジカ)。シカを観察し、そのシカとの関係で成り立つ自然の特別な姿を知る。
    ・新緑の5月の木々のさまざまな緑を楽しみつつ、代表的な木の見方を知る。
    ・奈良公園が見通しの良い林になっていることを確かめ、なぜかを知る。
    ・芝生の中でぎりぎり花を咲かせている植物を見つけ、どんな種があり、なぜ堂々と生えているかを知る。
    ・シカの糞に集まる昆虫を探してみる。
    の5つを設定。
    井上先生の案内のもと、それぞれの観察ポイントを順番に巡りながら、奈良公園に生息する代表的な木々の特徴や、芝生にひっそりと生える小さな植物の見分け方、時には突然現れる動物も教えていただき、奈良公園の自然を一緒に学んでいきました。

    奈良公園の木々を見ると、写真のように下の方がまっすぐ揃っているものが多く見られますが、どうしてなのでしょうか?
    先生のお話によると、これはシカが届く高さまでの葉を食べるためにできる景色なのだそうです。
    「なるほど!そういう理由だったのか」と思わず納得する学びでした。

    次に観察したのはヒイラギ。
    実のなるヒイラギは丸い葉が多いことを皆さんはご存じでしょうか?
    私はこの木がヒイラギだとは気づきませんでした。
    ヒイラギと言えば鋭いトゲの葉が思い浮かびますが、高い位置の葉や古い葉はトゲが少なくなり、丸い形に変わることがあるそうです。
    低い位置ではシカに食べられやすいため、身を守るためにトゲを発達させているのだそうです。
    とても納得のいく仕組みでした。

    次は「1cmのお花畑」として、オオニワゼキショウとコニワゼキショウを観察しました。
    ぱっと見は同じに見える花でも、大きさ・色・草丈をよく見ると違いが見えてくることを学びました。
    先生のわかりやすい説明に耳を傾けながら、座り込んで一生懸命に違いを探す子どもたちの姿が印象的で、心が温かくなるひと時でした。

    次のポイントに到着。
    雷に打たれて内側が黒ずんだ木を前に先生が「よく観察するとヤモリの卵が見つかるかも知れないよ」と声をかけると、子どもたちは木の内側外側をくまなく探し始めました。
    すると木の内側で休んでいた蛾を発見。
    「生きてるのかな」「動かへんなぁ」と子ども達が話し合っていると、先生がそっと蛾をつまんで見せてくれました。
    蛾はちゃんと生きていて、子どもたちは「生きてるやん」「結構かわいいなぁ」と一気に笑顔に。
    「怖い」と思っていた生きものが「かわいい」に変わる瞬間になりました。

    次に登場したのは、なんと!モリアオガエル。
    道端で見つけたそうで、「今日はみんなに見てもらおうと思って…」と先生が特別に連れてきてくださいました。
    私が小学生の頃に森で見た記憶があります。カエルなのに木の上で暮らし、卵も枝に産むとても珍しい種類です。
    観察後は、遺伝子汚染を防ぐために元の場所へ戻すとのことで、自然への配慮も学びの一つとなりました。

    次はイヌシデ。
    葉の形や特徴など専門的な内容でありながら、先生が語ると不思議なもので、頭にスッと入ってきました。
    気づけば大人も子どもも自然と前のめりになっていました。

    カタツムリも見つけました!

    次に観察したのはヒノキ。
    お寺や神社、お風呂に使われる木としておなじみです。
    葉を少しこすると良い香りがするそうですが、今回はこすり方が優しかったためか香りはよくわかりませんでした。
    葉の形にも注目。
    先生の説明でもあったように、よく見ると、小さな「Y」の形が連なっていて、とても面白い発見でした。

    日陰で子鹿が静かに休んでいました。
    うるんだ瞳で遠くを見つめる姿が愛らしく、あちこちから「かわいい~」という声が上がりました。
    母鹿の姿を探していたのでしょうか。
    そっと周囲を見渡す姿が印象的でした。

    次のポイントへ向かう途中でオオセンチコガネを発見!
    陽の光を受けて青や緑に輝く姿は本当に美しいです。
    子どもたちに報告すると、大人も子どもも一斉に駆け寄って来てくれました。
    「めっちゃきれいやん!」「キラキラしてかわいい~」という声が聞こえ、場の空気が一気に明るくなるようでした。
    子どもたちにとって、「虫ってこんなにきれいなんだ」という気づきにつながったように感じました。

    久しぶりにサルノコシカケを見かけたので、感触を確かめてみました。
    時間をゆっくり積み重ねてできた層は、やっぱり硬かったです。

    鹿苑の側でテングチョウが姿を見せました。
    先生の説明のとおり、頭部が天狗の鼻のように前方へ伸びており、特徴的な姿に大人も子どもも興味津々。
    普段なかなか出会わない蝶を見て、自然の奥深さを感じました。

    最後のポイントになったのは、奈良公園を代表する巨木イチイガシ。
    常緑のカシ類の中でも比較的大きく育つ種類で、太く力強い幹が堂々と立つ姿は圧倒的でした。
    近くに立つだけで、長い年月を生き抜いてきた木の存在感と、自然の力強さを感じる印象深い観察となりました。

    楽しい時間は本当にあっという間に過ぎ、今回はここでタイムアップ。
    自然について学び、発見を重ねる充実した時間となりました。
    また、先生の教え子の方にとっては、童心に戻って当時を思い出しながら、もう一度、井上先生に教わることができた夢のようなひと時だったと思います。

    参加者の声

    参加者の子どもたちや保護者の皆さんからは、

    「自然のことがいっぱい知れて楽しかったです」

    「いろんな木や花など植物がたくさんあって本当に楽しかった!ワクワクする時間だった」

    「オオセンチコガネの観察が楽しかったです」

    「楽しかった!!また来たいです」

    といった声が寄せられました。

    講座を終えて

    今回の講座では、参加された皆さんがイキイキと自然に向かう姿がとても印象的でした。

    皆さんの感想から、職員としても、この自然観察会が親子の学びと発見の場になったことを実感しています。

    奈良公園の豊かな自然の中で、子どもたちの「見つけた!」「何これ?」という発見の声があちこちから聞こえ、その様子を優しく見守る保護者の笑顔がとても素敵でした。

    世代を超えて同じ自然を見つめ、同じ驚きや感動を分かち合うひと時は、講座ならではの温かさに満ちていました。

    そして、井上先生の丁寧で温かい指導が参加者の学びを深めてくださいました。

    多くの方々の協力によって、安心して楽しめる講座となりましたことに心より感謝申し上げます。

    これからもこのような地域の豊かな自然をテーマにした学びの場を、大切に育てていきたいと思います。