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こんな講座ありました(知られざる奈良の祭礼行事)

[2013年7月31日]

ID:4337

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知られざる奈良の祭礼行事<春日公民館:2013年5月16日(木)、6月13日(木)全2回>

奈良には四季を通じて、古くから伝承されてきた儀礼や祭事がたくさん残っています。地域ごとにその様相も違い、一般的にはまだまだ知られていない祭礼も数多くあるようです。この講座はそのような知られざる祭礼に着目し、民俗学見地から奈良の魅力に迫ることを目的に開催しました。

2012年度は正月行事について学び、好評を博したこの講座。2013年度はその第2弾です。

 

講師は、奈良女子大学教授の武藤康弘さん。

武藤さんご自身が現地取材を重ねて撮影された数々の映像を交えて、わかりやすく解説いただきました。

第1回 5月16日(木) ノガミ(野神)祭りについて

ノガミ祭りは初夏に行われる奈良独特の祭礼で、田植えの時期までに雨がたくさん降ることや農耕用の牛の健康などを祈願して行われます。

地域によって形態もさまざまで、奈良盆地北部と中南部では大きく様相が異なるそうです。

 

奈良盆地北部に残るノガミ祭り「牛まわし」。牛をノガミの塚や木に連れて行き、粽(ちまき)を作って配り、牛に食べさせたりしたそうです。

農村にとって牛は重要な家畜だったことから、このような行事が伝承されてきたのですね。

 

奈良盆地中南部のノガミ祭りは、田原本町鍵・今里の「蛇巻き」などが有名。

わらで蛇体を作り、少年たちが担いで村内を練り歩き、ノガミの木や塚にミニチュアの農耕具を奉納し、儀礼食を食べたそうです。

同じ奈良でも北と南でこのように違いがあるとは不思議ですね。ユーモラスで迫力ある映像に、受講者の皆さんは惹き込まれていました。

皆さん熱心に聞いています。

田原本町鍵・今里の蛇巻きで使われた小型模造道具。

第2回 6月13日(木)夏の厄除け行事について

野の花が咲くころには、伝染病や天候不順、作物の不作等をもたらす疫神が活発に活動すると考えられ、それを鎮めるためのさまざまな祭礼が生み出されたそうです。

よく知られているところでは、率川神社や漢国神社の「三枝祭(百合祭)」、金峯山寺の「蓮華会」 などがあります。

そのほか、人々の罪穢れを人形(ひとがた)に移して払う石神神宮の「夏越の祓」、稲の害虫駆除の儀礼「虫送り」、台風等の風水害を防ぐための祈祷「風鎮祭」、雨乞い祈願として行われた「太鼓踊り」などについて、なかなか見ることできない貴重な映像とともに説明いただきました。

次々と厄除け行事の映像が映し出されます。

おごそかで幻想的な光景、きらびやかな舞いや踊り、威勢のいい掛け声など、臨場感いっぱいの数々の映像に、時には歓声や笑い声なども聞かれ、みなさん楽しみながら受講されていました。

参加者の声

  • 奈良の各地に残る種々の祭りや儀礼などの行事について貴重な映像をまじえて紹介していただき、とても有意義でした。(70代 男性)
  • 奈良の祭礼行事がだんだんなくなってきているのが、さびしく思いました。(70代 男性)
  • 奈良に伝わる民間の土着行事に焦点を当てての説明で、知らなかったことがほとんどで大変参考になりました。映像も良かったです。(60代 男性)

講座を終えて(まとめ)

今回取り上げた祭礼は限られた地域だけで伝承されており、時代の変化に伴って現在は途絶えてしまっているものもあるそうです。

一度失われてしまうと後には何も残らない。なんらかの形で記録を残しこのような祭礼の保存について取り組むことの必要性を、講師は訴えておられました。

私たちの住む奈良について改めて関心を持ち、今できることから行動していくことが必要なのかもしれないと考える、貴重な機会となりました。

知られざる祭礼はまだまだたくさんあります。季節を変えて今後も続けていきたいと思います。


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