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こんな講座ありました(奈良今昔~南都八景を巡る~)

[2013年5月29日]

ID:3903

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奈良今昔~南都八景を巡る~<春日公民館:2013年3月7日 3月28日(木)全2回>

この講座は、「南都八景」について学び、実際に現地をめぐることで、奈良の今昔や魅力を感じてもらうことを目的として開催しました。

講師には、畿央大学講師の平岡譲さんをお迎えして、南都八景の成り立ちや背景の解説、そして、実際に現地へ出向いての講義をしていただきました。

第1回 3月7日(木) 南都八景とは~その背景と当時の様子を知る~

「南都八景」の説明に入る前に、そもそも「八景」とはどこから由来するものか、ということから講義が始まりました。

「八景」とは、ある地域における八つの風景を選ぶ風景評価の様式であり、10世紀に北宋で選ばれた瀟湘八景がモデルとなっています。近江八景で例えるなら「瀬田夕照・石山秋月」といったように、前の句に対象地2文字を入れ、それに続いて後の句に、事象・事物として、帰帆・晴嵐・夕照・夜雨・秋月・落雁・暮雪・晩鐘を入れて全4文字になるものが基本となっていたのですが、時代が下るにつれ、風景の対象地のみしか挙げないなど、基本型にこだわらない八景も出てきたそうです。

南都八景の成り立ちをお話する平岡先生

南都八景の成り立ちを説明する様子

では、南都八景はどうだったのかというと、風景の対象地+事象・事物の組み合わせではあるけれど、事象・事物の内容は、必ずしも基本型を踏襲していません。また、漢字4文字で構成されていますが、前2句+後2句の漢字で設定しているものは1つだけしかありません。

ちなみに南都八景とは、【南円堂藤】 【猿沢池月】 【佐保川蛍】 【春日野鹿】 【三笠山雪】 【東大寺鐘】 【雲井坂雨】 【轟橋行人】です。こうしてみると、たしかに基本型とは違いますね。

「南都八景」の名称が、文献に初めて登場するのは、『蔭涼軒日録』(1465年)です。その後、貴族が愛でて和歌にも詠むことで、その風景がやがては庶民に広まり、江戸期には奈良の観光案内図に活用され、これが奈良土産となっていったそうです。

実際に「和州奈良の絵図」の復刻版を見せながら、「南都八景」について説明する様子。

最後に、「南都八景」と「奈良八景」と呼び名が2つあるそうです。これはなぜかという話になり、京都からみると「南都」になるので、「南都八景」。それ以外からみると「奈良八景」になるのではないか、とのことでした。

知れば知るほど、身近にこんなおもしろい名所があったんだな、と感じました。

次回は、いよいよ現地学習です!

第2回 3月28日(木) 南都八景を望む

いよいよ現地学習。小雨が降る、あいにくの天気でしたが、たくさんの方にご参加いただけました!

当日は、南都八景について詠まれた歌を見ながら、南円堂(南円堂藤)⇒猿沢池(猿沢池月)⇒奈良公園(春日野鹿・三笠山雪)⇒東大寺(東大寺鐘)⇒県庁横(雲井坂坂・轟橋旅人)と巡りました。今回は、残念ながら佐保川(佐保川蛍)には行きませんでした。

それでは、南都八景の今昔を見ていきましょう!

南円堂前にて説明

南円堂にて


【藤なみは神のこと葉の花なれば 八千代をかけてなをざさかゑむ】 二条良基

猿沢池にて説明

猿沢池にて


【のどかなる波にそこほるさるさはの 池より遠くつきはすむとも】 飛鳥井雅行

三笠山について説明

奈良公園から三笠山を見ましたが、あいにくの雨でけぶって見えませんでした。


【みかさ山さしてたのめばしら雪の ふかき心を神やしるらん】 西園寺前右大臣實俊

春日野の鹿について説明

春日野の鹿。けぶった奈良公園での鹿達の様子は、なかなか情緒があっていいですね。


【かすがやまのあらしやさむからん ふもとの野辺にしかぞなくなる】 清水谷権中納言公勝

東大寺の鐘の前にて説明

東大寺にて


【をく霜の花いつくしき名も高し ふりぬる寺の鐘のひびきに】 前大納言四辻入道喜成

轟橋での解説

現在は、石碑と橋があった場所に色違いの石畳が敷かれています。


【うち渡る人めも絶えず行く駒の 踏みこそならせとどろきのはし】 藤原冬宗

雲井坂・轟橋にて説明

昭和初期のころに道路整備で坂の勾配はなだらかになったそうです。


【むら雨の晴間に越えよ雲井坂 三笠の山はほどちかくとも】
 藤原為重

参加者の声

  • 2回目はあいにくの雨でしたが、良い講座でした。ありがとう(60代 男性)
  • 時間があっという間に過ぎて、おもしろかったです。雨もたいしたことなく参加させて頂き、いろいろ発見でき驚くばかりでした。(60代 女性)
  • 南都八景をこの講座で初めて知った。説明も詳しくよく理解できた。(60代 男性)
  • 南都八景についてまとまった教示頂き、良く理解できました。(60代 男性)
  • 忘れかけていた奈良の良さを思い出させてくださいました。昔の様な景色があれば、うれしいのですが。(60代 女性)
  • 南都八景の名前だけは知っていますが、その場所やいわれなどがわかりました。(60代 男性)

 


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