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あしあと

    こんな講座ありました(知られざる奈良の祭礼行事)

    • 更新日:2013年4月17日
    • ID:3938

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    知られざる奈良の祭礼行事<春日公民館:2012年11月29日(木)、2013年1月31日(木) 全2回>

    奈良で「お祭り」というと…、春日若宮おん祭、東大寺二月堂のお水取りなどが有名です。

    しかしながら、奈良にはあまり知られていない特色ある祭りが実はたくさんあるのです!

    この講座は、祭礼の儀礼や歴史背景などを学び、民俗学的見地から奈良の魅力に迫ることを目的として開催しました。

    講師は、奈良女子大学教授の武藤康弘さんです。武藤さんが現地で撮影した数多くの映像や資料を交え、分かりやすく解説していただきました。また、実際に観に行くことができるように、講義日より少し後に実施される祭礼を中心に学びました。

    第1回 2012年11月29日(木) 奈良の正月行事について

    牛玉札を持って説明する講師

    初祈祷(オコナイ)の解説。
    手にしているのは祭礼時に使用される牛玉札(ゴオウフダ)です。

    講座風景(祭礼行事の映像を鑑賞中)

    各地で撮影された数多くの祭礼の映像が次々と現れます

    正月行事といえば、新しい年を迎えるにあたり、安全や厄除け、豊作などを祈願する目的で行われる祭礼が多くあります。

    修正会・修二会のような国家の安寧と鎮護を祈願する祭礼、初祈祷(オコナイ)・荘厳(ショウゴン)・結鎮(ケッチン)など、地域社会に密着し、村内の安全や豊作などを祈願する祭礼があり、それぞれの祭礼について解説した後、実際の様子を映像で見ました。

    唐招提寺の餅談義、長谷寺のだだおし、薬師寺の花会式など、奈良の年中行事としても知られている祭礼だけでなく、陀々堂の鬼走り(五條市)、河合の弓矢祭(上北山村)、江包・大西の綱掛け祭り(桜井市)、山の神祭(東吉野村)など、あまり知られていない祭礼についてもとりあげ、火を振り回す迫力ある情景や、時には笑いあふれるユーモラスな様子を垣間見ることができました。

    第2回 2013年1月31日(木) おんだ祭りについて

    パワーポイントの画像(水口祭の説明)

    水口祭の説明。
    稲の苗を育てる苗代のなかに、水路を通じて稲に害をあたえる疫神が入り込まないように、水の取り入れ口もしくは出口におんだ祭りなどで配布される松の枝でできた模造の苗や牛玉札などを供えます。

    そういえば、田んぼに供えられているのを何気なく見ていましたが、ちゃんと意味があるんですね。

    奈良独特のおんだ祭りの紹介(六県神社御田植祭)

    六県神社の御田植祭(川西町)
    奈良のおんだ祭り特有のめずらしいお祭りです。
    豊作祈願に子孫繁栄がかけあわさっているのが特徴。
    白い衣装(白無垢)を着ているのは、妊婦に扮した男性です。
    子どもと大人との掛け合いが楽しいお祭りです。

    おんだ祭り(御田植祭)とは、五穀豊穣を祈念して、水田および水田を模倣した場所で行われるもので、田遊びと田植え神事の二種類に大きく分けることができます。田遊びとは年初に豊作を祈念して一年の農作業を模倣して演じるもので、奈良県内のおんだ祭りは全て田遊びに属します。

    おんだ祭りといえば、奈良市内では手向山八幡宮の御田植祭、春日大社の御田植祭など、実際の農作業の姿を忠実に再現し、かつ格調高く演ずる、芸能的要素をもつ祭礼が代表的です。県内の大部分のおんだ祭りは、農作業を模倣する所作のみで構成されており、田男や田主が、一連の農耕の流れを行います。牛役が大暴れしたり、田植えされた松や模造苗を奪い合ったりする動きのある祭りが多いのが特徴です。牛も人も暴れれば暴れるほどその年は豊作になると考えられています。迫力があり、そしてユーモラスな様子に参拝者も楽しみながら参加している雰囲気がうかがえました。

     

    参加者の声 ・ まとめ

    • 奈良に住んでいながら、全く知らなかった世界を、映像を通してわかりやすく説明していただき、大変貴重な時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。(30代 女性)
    • 本当に奈良県内で知らない伝承行事をご教示いただき、ありがとうございました。(60代 男性)
    • 珍しい映像をみながらわかりやすく解説していただき、たいへん勉強になりました。(60代 男性)

     

    奈良には、世界遺産や国宝級の文化財等、数多くの寺社仏閣があります。今回はそこで行われている祭礼行事を学ぶことで、それぞれの祭礼の儀式などに内在する意味や実際の様子を知ることができ、新たな奈良の魅力を見つけていただけたのではないでしょうか。

    2013年度も第2弾を企画しています。しみんだよりやホームページで募集しますので、ぜひご参加ください!