ようこそ書の世界へ~墨の香、書の心~
- 更新日:2011年9月29日
- ID:894
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平成19年度 文化庁「文化芸術による創造のまち」支援事業 「ようこそ 書の世界へ~墨の香、書の心~」 <生涯学習センター:平成20年3月23日(日) 午前10時~午後3時>
みなさんは最近筆を持ったことがありますか?墨を使って文字を書いたことがありますか?
パソコンや携帯電話の普及によって、紙に文字を書くことが少なくなりつつあるみなさんに向けて、思う存分墨と筆で書くことができるイベントを開催しました!
紙すき講演会 「吉野路手漉き和紙の魅力」
講師:宇陀紙保存技術保持者 福西 弘行 さん
文化庁支援事業として、今回のテーマになっている「書」にかかわるいろんなものにもスポットを当てようと言うことになり、書道には欠かせない和紙に関する講演会も開催しました。
吉野町国楢周辺地域では、古く故事をたどると天武天皇の御代にまで遡るほど歴史の深い手すき和紙の産地です。福西さん自身も子どもの頃から家業としておこなっていた紙すきの仕事を先代について修業されましたが、戦争時代には風船爆弾の材料として紙を漉いていたそうです。そのため、福西さんは、出兵することもなく吉野の地で紙すきに関わることができたそうです。
地域では、戦後、紙すきの仕事から割りばし産業へと転職していった人も多くいたため、紙すき職人はさらに少なくなっていったとのことです。今では、五代目の福西さんと六代目の息子さんとでご先祖さんから教えられたようにやれば間違いないと、伝統技法を大事に伝えておられます。原料となるノリウツギの木と吉野特有の白土を使い、その中に木灰を入れ絶妙なタイミングで作業していく様子は、親から子へ、子から孫へと長年伝えられてきた日本のモノづくりの凄さを感じさせられました。
現在では、国内では宮内庁や寺社、仏閣にも納めておられるだけでなく海外での古文書などの保存修復にも宇陀紙は欠かせないものとなっているそうです。
このことを自分が元気でいる間に、次世代を担う子どもたちにも伝えて行かなければということで、地元や東京、大阪の小学校で自分だけの卒業証書を、福西さんの指導のもとに紙すきをして作成するご指導もされているそうです。
いつまでもお元気でご活躍いただきたいと思っております。
紙すき体験
福西さんにお持ちいただいた、紙すきの道具を使って、みなさんに紙すき体験をしていただきました。
最初に、福西さんが実際に作られた手すき和紙の展示品に触れながら、どのような染料を使用されているのか、また紙の強度などを説明。
そしていよいよ紙すき体験です!福西さんのご指導のもと、順番に木枠を動かして紙をすいていきます。すき終わった紙に、自分の好きな色で色付けをして、乾かして完成です。
みなさん自分たちで作った和紙に、とても愛着を持っていただけたようです。1枚1枚の紙の大切さや無駄にしないことも、この体験を通して感じていただけたのではないでしょうか。
みんなで書道に挑戦!
真っ白だった3枚の紙が
みなさんの手によって
大きな作品になりました!
墨・書道具に関する展示 【提供】株式会社 呉竹
昔の道具や貴重な掛け軸、身近な道具などを展示。
何百年も前の歴史ある貴重な道具もまぢかで見ることができました!
最近の道具は、軽くてとても使いやすそう!
みんなで作る作品展!
奈良教育大学学生さんに教えてもらいながら、
福西さんの手すき和紙に好きな文字を書いて、
みんなで作品展を作り上げました。
身近に墨を感じよう!
紙に墨と筆で文字を書いて
飾りつけをして、ラミネート加工。
しおりや下敷きを作りました!
お皿に文字を書いてみよう!
書きたい文字や言葉を選んで練習します。
最後にラッカーを塗って完成です。
自分の名前や素敵な短歌を書いた人がいました。
3月23日の風景
入り口の看板は奈良教育大学・書道専攻の学生さんに書いていただきました!
奈良市生涯学習財団では、平成20年度もモノづくりの大切さや、奈良に伝わる伝統技術を広く市民の皆さんへ知っていただく機会を提供しようと考えております。
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