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あしあと

    こんな講座ありました(東洋古美術の鑑賞力を究める)

    • 更新日:2018年2月2日
    • ID:7775

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    東洋古美術の鑑賞力を究める<平城東公民館:2017年5月11日(木)~10月12日(木)全5回>

    この講座は、大和文華館の東洋の古美術作品を学芸員の案内とともに実際に「みる」ことを通じて、生の作品から感動を受け、日本と東洋の素晴らしい美術品について学び、「世界の中の日本、日本の中の世界」を感じるきっかけとすることを目的に開催しています。

    第1回:5月11日(木) 平常展:国宝「松浦屏風」と桃山・江戸の絵画-都市のにぎわいと成熟-

    国宝と出会う。

    今回は、「国宝『松浦屏風』と桃山・江戸の絵画-都市のにぎわいと成熟-」を鑑賞しに行きました。

    「松浦屏風」は、この日も静かに、でも鮮やかな輝きで私たちを迎えてくれました。

    鑑賞に先立って、大和文華館学芸員の講義を30分間受けました。
    学芸員は、文化財、美術品などのスペシャリスト。その説明は、心にストンと落ちます。
    写真は、国宝「松浦屏風」の講義を受けているところです。
    屏風の人物をズームアップして解説してもらっています。

    学芸員は本当にお話上手。
    時折、笑みがこぼれるような滑らかなお話の進め方に、みなさんは引き込まれました。

    いつまでも見つめていたい至宝の数々。

    参加したみなさんの素敵な時間が流れていきました。

    第2回:6月8日(木) 特別展:没後300年 画僧古礀

    今回は、「特別展 没後300年 画僧古磵」を鑑賞に行きました。


    まずは、30分間、大和文華館学芸員の講義と展示品解説を受けました。
    プレゼンテーションは見やすく、お話も明瞭!

    講義の冒頭で、学芸員が挙げた今展覧会の見どころは、次の5点です。

    1. 画僧古磵の画業を紹介する初めての展覧会
    2. 研究や紹介が十分になされていない、江戸時代前半に活躍した画僧の展覧会
    3. 白隠・仙厓だけじゃない! 親しみのある愛らしい画風
    4. 大画面! 本格的な仏画の数々
    5. 長い! 絵巻作例の数々

    これを聞いて、早く本物に出会いたいと気持ちが高まっていくのを抑えることができませんでした。

    その後の1時間にわたる展示品解説は、とても楽しかったです。

    今回も、素敵な東洋古美術との出会いと感動が私たちを待っていました。

    第3回:7月13日(木) 平常展:宴の器

    今回は、「宴の器」の鑑賞に出かけました。

    いつものように、冒頭の30分間は、展示品の詳細や見どころの講義です。

    今回は、大和文華館学芸部係長から講義を受けました。

    最近では、「中国・五代十国時代(十世紀)の金属工芸に関する基礎調査研究」の代表研究者を務めるなど、数々の研究実績をもち、第一線で活躍されている方です。

    大和文華館のプレゼンテーションで楽しく思えることのひとつに、展示品を大きく拡大した写真が紹介されることが挙げられます。

    博物館では、実物を単眼鏡などで凝視しても、なかなか見えにくいことが多いもの。

    細かな特徴が事前にわかると、実物に出会うのがますます楽しみになってきます。

    今回は、展示物の器と、大英博物館の「パーシヴァル・デイヴィッド・コレクション」が同じ場所にあったと説明を受け、胸が高鳴りました。

    後半の1時間は、学芸員の解説に耳を傾けながら、数々の宴の器の美しさをたっぷりと堪能しました。

    私の好きな螺鈿の品も1点ありました。

    嬉しかったです。


    第4回:9月14日(木) 平常展:文人のまなざし -書画と文房四宝-

    ヒガンバナがつぼみを上げ始めた初秋。

    東アジアにおいて文化の重要な担い手であった「文人」の生き方に触れるべく、書画と文房四宝を鑑賞しました。

    今回の講義と展示室解説の担当学芸員は、新進気鋭の中国美術の研究者の方でした。

    私たちは、文人の生き方にいざなわれていきました。
    文人とは豊かな教養をもって詩書画に親しみ、自らもそれを作る人々のことです。

    文人の書斎。
    「明窓浄机(めいそうじょうき)」の理想の姿だそうです。
    シンプルな美しさに憧れます。

    学芸員の解説に聞き入る・・・。
    心が洗われるような素敵な時間が流れる・・・。


    第5回:10月12日(木) 特別展:柳沢淇園(やなぎさわ きえん) -文雅の士・新奇の画家-

    大和文華館も秋の装いをまとってきました。

    日本の文人画の先駆者と称されている柳沢淇園。

    奈良市のお隣、大和郡山市(郡山藩)を拠点に活躍していた彼の特別展に出かけました。

    うたた寝している様子を描いた作品。
    何ともユーモラスで思わず笑みがこぼれてきます。
    解説の学芸員は、第1回にもお世話になった方です。

    10代には、江戸と甲府を往復していた淇園。
    20代のころに大和国郡山藩へ移ったことがわかります。

    学芸員からほとばしり出る数々の知識。
    作品に見入りながら、「ほーっ」「ふ~ん」「へぇ~っ!」の声が何度も何度も漏れます。

    参加者の声

    • 鑑賞のポイントがわかり、知らない観点からながめることができた。
    • 個人の鑑賞では理解できないことが知れて満足です。
    • いつも思いますが、見学の前に話を聞くと、内容が深まり楽しくなります。
    • このような企画を年に2回はやってほしい。生活を豊かにしてくれます。
    • 興味が増した。今後も続けてほしい。
    • 「続」をなさってくださるとうれしいです。

    ともに学ばせていただき、ありがとうございました

    今年度は、全5回の深い学びをみなさんで楽しんでいただきました。

    個人での鑑賞とはまた違った楽しみ方を、味わっていただけたものと思います。

    このような貴重な学びの機会の提供と、講座開催への配慮をしてくださった大和文華館事務局長をはじめ職員のみなさまに、厚くお礼を申し上げます。

    平城東公民館では、2018年度(平成30年度)にもこの講座の開催を計画しています。

    どうぞ、楽しみにお待ちください。