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あしあと

    こんな講座ありました(歌姫の歴史を知る)

    • 更新日:2017年10月21日
    • ID:7889

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    歌姫の歴史を知る<平城東公民館:2017年7月16日(日)~9月17日(日)全3回>

    奈良市の北部に位置する平城ニュータウン。

    近鉄京都線の東側のエリアは、かつて奈良市歌姫町に属し、平城山(ならやま)と呼ばれる丘陵の一部でした。

    大和と山城を結んでいた「歌姫越え(歌姫街道)」が、古来より南北に走っています。

    歌姫の歴史を学ぼうと「歌姫町文書研究会」が発足したのは、2013年のこと。

    かつての庄屋であった中島 弘(なかじま ひろし)さん宅に大量に保管されている古文書の解読作業を通して、歌姫町の有志の人たちによる研究が始まりました。

    そして、研究の成果は、研究紀要『歌姫春秋』第1冊として2016年1月に刊行されました。

    詳しくはこちら

    平城東の風 2017・・・歌姫町文書研究会会長を訪ねる

    折しも、朱雀地区自治連合会や朱雀地区万年青年クラブでは、朱雀など平城ニュータウンの歴史を学びたいという声が上がっていました。

    今回、中島 弘さんのお話から学びたいという数年来の切実な願いが実現し、貴重な古文書をもとに、歌姫街道を中心としたこの地域で人々がどのように生活をしてきたかを知り、地域への愛着をさらに深めるため、平城東公民館の主催講座として、朱雀地区自治連合会と共催しました。

    第1回 7月16日(日)

    会場は早くから満員。
    皆さんのワクワク感が高まっていました。

    開会までの間、天童よしみの『歌姫越え』が流れていました。

    そして・・・
    「皆さんと一緒に勉強してみたいと思います。」と、穏やかに語り始めた中島 弘さん。

    「私は、東京の乃木坂で生まれ育ったんです。奈良にご縁がありましてね・・・。」

    今日の内容は、次の5点でした。

    1、大昔のならやま

    2、各種の地図で、「歌姫越え」周辺地域の歴史的風土について学ぶ

      1724(享保9)年甲辰8月の五ヶ村(歌姫村、山陵村、常福寺村、超昇寺村、門外村)の絵図から

    3、大和と山城の国境について

    4、「地名は歴史を知るうえでの大切な史料」「字図は地域の文化財」等と言われますが・・・歌姫村の村名の由来には、諸説あり

    5、小字(こあざ)の多い地域について

    本物の古文書がこんなにもたくさん!

    しかも、終了後、本物に触れることができました。

    中島さん
    「ほら、ここに書いてあるんですよ。」

    中島さんは、参加者からの質問に丁寧に回答してくださいました。

    「いやあ、先生、実に楽しかったですよ!」

    それにしても、あっという間に過ぎてしまった1時間半でした。

    なお、「歌姫町文書研究会」編集の研究紀要、『歌姫春秋』第2冊の刊行準備が進んでいるとのことです。

    楽しみに待ちたいと思います。

    ちなみに、第1冊は公共図書館など各地に収蔵されています。


    今回は、申し込みが殺到し、会場の広さの関係からやむなく抽選となりました。

    参加をしていただけなかった皆さんには、大変申し訳なく思っております。

    これからも平城東公民館の主催講座にご期待ください。

    第2回 8月20日(日)

    今回も、早くから参加者が続々と来館。
    開始前から、会場はワクワク感に包まれていました。

    中島さんは、今日も穏やかな聞きやすい語り口で講義をスタート。
    「皆さんと一緒に勉強をする」が口癖であり、スタイルです。
    だからこそ、私たちは楽しく学べるのでしょう。
    皆さんは、熱心にメモをとっています。

    今日の内容は、次の3点でした。

    1. 「前回に引き続き、小字の多い地域について」
    2. 「近世の歌姫村について」
    3. 「近世の村のあれこれを学ぶことについて」

    終了後には、中島さんへの質問の順番を待つ人の列ができました。

    中島さんは、質問にわかりやすく丁寧に回答してくださいます。

    ちなみに、現在の奈良市朱雀・左京は、かつて歌姫村・歌姫町の一部でした。

    今は、朱雀・左京の住所表記に小字は使われていませんが、旧表記の歌姫町〇〇番地(登記簿に記載)がわかれば、かつての小字の名前を中島さんに教えていただくことができます。

    江戸時代の古文書の数々。
    手に取って見ることができます。
    土地、水、修繕積立金などについての事柄が多いそうです。
    今で言えば、自治会の議事録、町と行政との確認書などにあたるのでしょうか。

    江戸時代の古文書を手に取り、紙や墨の質などを確かめる姿も。
    今回は、新聞記事の資料もありました。
    「昔の人は達筆が多いわね。」
    「くずし字を読むのは難しいなあ。」
    などの声が聞かれました。


    「歌姫町文書研究会」編集の研究紀要、『歌姫春秋』第2冊の刊行は、予定通り9月中旬とのこと。

    次回、9月17日(日)の第3回講座にお目見えするかもしれません。

    皆さん、最終回をお楽しみに。

    第3回 9月17日(日)

    いよいよ最終回。

    今日の内容は、次の2点でした。

    1. 「近世の歌姫村について」
    2. 「近世の村のあれこれを学ぶことについて」

    テーマは前回とほぼ同じですが、新しく「慶応4年の水争い」や「享保年間の明細帳に書かれていること」などのお話が展開されました。

    折しも、台風18号が接近していましたが、今回も盛況となりました。

    難解な史料を見ながら、耳を傾ける参加者の皆さん。

    水争いは、農民にとっても村にとっても死活問題。
    下流の村から当時の郡山藩に出された訴えに対して、歌姫村が過去の裁きの記録から反証していく様子が明らかになっていきます。

    最終回の意気込みが伝わってくる中島さんの語りです。

    古文書を学ぶことで、その時代の人々の工夫や努力、苦悩が見えてきます。
    それは、現代に住む私たちにも通じるところがあり、だからこそ、歴史を知る魅力になっているのでしょう。

    これは完成した『歌姫春秋』第2冊です。

    平城東公民館主催事業「歌姫の歴史を知る」は、歴史に親しむ皆さんが満足できる学びの場となりました。

    受講を終えた参加者の声

    • 先生のお話がおもしろおかしく聞けて、ためになりました。
    • 先生のお話が分かりやすく良かったです。又の機会を楽しみにしております。
    • 講師が90歳。しっかりとした話しぶりと対応に感心した。“良き刺激”を受けた。
    • 歌姫の歴史の入門講座として良かったと思います。今後、『歌姫春秋』をテキストにして、連続講座を開催していただきたい。
    • そばに居ながら、歴史のある所だとは知らなかった。
    • 以前から興味があったのでとても良かったです。もっと深く知りたいです。
    • 地域の歌姫について、よく知ることができて満足しています。古文書等を個人でよく保管をされていることに感心しました。
    • 地域の歴史の説明を通じて、江戸時代末期の人々の動きまで教えていただき、それが今にも通じていることがわかり良かったです。
    • 地元の地形や地名の由来など、とても興味深く聞かせていただきました。「小字」に深い意味があることもおもしろく、自分の戸籍も調べてみたいと思います。
    • 奈良の町名にはそれぞれ歴史があると思っており、偶然にも歌姫に住むことになり歌姫の歴史を知ることができ楽しかったです。先生のお人柄もあり、素晴らしい講義をありがとうございました。中島先生はとても魅力的でした。
    • ニュータウン内の歴史や情報については、40年近く住んでいてもあまり情報がなかったので、少しでも知ることができてうれしく思います。
    • これほど出席者の多い教室は珍しい。自治連合会・公民館のご尽力に多謝!!

    お知らせ

    歌姫町文書研究会紀要『歌姫春秋』第1冊・第2冊についてのお問い合せは、会の担当者まで。

    吉村 俊文さん

    電話:0742-33-6757