こんな講座ありました(市民企画~災害痕跡をみて天災に備える~)
- 更新日:2020年4月23日
- ID:10303
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市民企画~災害痕跡をみて天災に備える~<西部公民館:2019年12月7日(土)~12月14日(土)全2回>
「天災は忘られたる頃来る」と、有名な警句があります。
奈良での「忘られたる」ほど前とは、いつの時代になるのでしょう?
古代から繰り返し起きている災害をうけて、先人が残した教訓は、今の時代にどのように受け継がれているのでしょう?
予測される大地震から、自分自身や子孫の身を守り、また、県内にある無形・有形の文化財や文化などを受け継いでいくためには、どのようにしたら良いのでしょう?
災害が起きた時、自分自身の行動が「減災」に繋がるとしたら・・・先ずは、一人ひとりが「防災」に対して意識を持つことから始めましょう。
ということで。
この講座は西部公民館主催事業「せいぶ講座企画チーム」(2019)(別ウインドウで開く)のメンバーが発案し、開催しました。
当日の講座の運営は、「せいぶ講座企画チーム」のメンバーが主体となり行いました。
受付もメンバーが行いました。
第1回:12月7日(土)「防災・減災に向けた考古学の新たな挑戦」
講師は、奈良文化財研究所・埋蔵文化財センター遺跡・調査技術研究室の村田泰輔(むらたたいすけ)さんです。
総合司会も「せいぶ講座企画チーム」のメンバーが行いました。
村田さんは、地層に残った災害の痕跡と古文書や古絵図などの先人が残した災害の記録とを照らし合わせて、「いつ」「どこで」「どのような」災害が起こったのかを研究し、データべースの構築を進めておられます。
近代的システムによる災害の観測が始まって100年も経過していないということで、村田さんの研究された過去の情報の蓄積は、災害のサイクルなどを知る上ではとても役に立つ情報になります。
関係文献は、計り知れない膨大な数だそうです。
村田さんは、1年間で、なんと!約1万冊に目を通しておられるとのことです。
これをデータベースにして完成するには約20年はかかるということでした。
「減災」にむけた熱い想いに頭が下がります。
地質学がご専門の先生からは、各地で起こる災害の記録映像や絵図を見せながら専門的な見解で解説をしていただきました。
第2回:12月14日(土)「ミニDIGの体験とワークショップ」
日ごろの備えの大切さを学ぶため、災害図上訓練(DIG)の体験をしました。
防災士としての経験のある「せいぶ講座企画チーム」のメンバーを中心に、大地震、台風、火山の大噴火など、いつ起こるか分からない「天災」に備えて机上の訓練をしました。
その後、「西部公民館付近を訪れた時に大地震に遭遇した」という想定で、学園前駅付近を、グループに分かれてそれぞれの視点で視て歩きました。
グループでの視察後。
「ここには公衆電話があったよね」
「非常階段はここにあったわよ!」などなど。
それぞれが気づいたことを、手持ちの地図にシールや付箋を貼って反映させながら話し合い、交流をしました。
各グループでどのような気づきや意見が出たかを発表していただきました。
お互いの発表を聞いて、自分たちのグループの気づきに不足していた部分を補いあうなど、とても有意義な時間となりました。
災害時は、携帯電話を使って遠く離れた家族の安否確認をすることが多いため、携帯電話の回線がパンクして繋がらなくなることがあります。
「171の伝言ダイヤル」で最小限の家族の情報を録音して利用する方法があることも学びました。
「そんな時は比較的繋がり易い公衆電話を利用してください」とのことでしたので、常に10円玉や100円玉を携帯しておく必要があることを再認識しました。
参加した方々からは、
「古文書などの文献と地質学の2つの認識を防災・減災に役立てる着眼点は新鮮に感じた。是非、頑張ってほしい。」
「DIGの体験は身近な場所での体験でイメージし易く、実践を繰り返し行い身に着けたい」
など、前向きなご意見が多数寄せられ、日ごろからの心構えが「減災」に繋がるということを再確認できる機会になりました。
お問合せ
西部公民館
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電話: 0742-44-0101
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