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あしあと

    館長が語る(平城公民館)

    • 更新日:2022年6月2日
    • ID:12143

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    平城公民館館長 谷村 栄治(たにむら ひではる)

    本年度もよろしくお願いいたします。

    みなさま、こんにちは。

    月日の経つのは早いもので昨年4月に当公民館館長として着任し、はや一年が経ちました。

    民間企業出身者として不慣れな中、地域団体ならびに公民館を利用頂いている皆様のご協力を得、なんとか公民館運営を行う事ができました。

    改めて御礼申し上げます。

    さて、2022年度も館長を拝命いたしましたので、引き続き精進努力させて頂きますので、どうかみなさまのご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

    平城公民館付近の風景について

    平城公民館と聞くと「平城京跡の近くにある公民館なの」と尋ねられることが多いのですが、実は平城京の北西端にあった西大寺の北側に広がる地域で、「秋篠町」にあります。

    2019(令和元)年に皇嗣となられた秋篠宮家の宮号由来となった地名で、一躍脚光を浴び、一時は秋篠寺を訪れる「大和路ブーム」も起こりました。

    このあたりは奈良市の郊外に位置し、平城京の北部に当たることから、奈良時代には宮人が花をかざして往来した秋篠路や外山の里という地域で、古墳や天皇陵などが多数点在する、すぐれた歴史的風土とともに自然環境抜群な地区と言えます。

    戦後の高度経済成長期を機に、大阪・京都のベッドタウンに変貌し、現在は宅地開発が進んでいますが、豊かな自然がまだまだ残っている風光明媚な場所です。

    秋篠寺以外に観光スポットと言える所はありませんが、閑静な住宅街と田圃やため池などを見学に、お近くまで来られた際は、是非お立ち寄りください。

    平城公民館全景

    秋篠寺について

    奈良県を代表する「苔の寺」として知られ、ひっそりと佇む古刹である秋篠寺は木々と美しい苔に囲まれています。

    山門から拝観受付までの山道は苔の道になっています。

    特に春から夏にかけての季節は最も美しく、多くの人が苔を見に参拝します。境内は木で覆われているため、日陰が多くなり苔が生息するには適した環境になったようです。

    山道を抜けると急に明るくなり国宝の本堂や「東洋のミューズ」(※注1)とも称される技芸天像など文化財の宝庫となっています。

    そんな秋篠寺ですが、秘仏公開の毎年6月6日には多くの人が参拝し、2時間を超える長蛇の列が山門の外まで続きます。

    ただし,昨年と一昨年はコロナ感染拡大防止のため,公開は中止され、今年の再開をわたくしも期待しています。

    秋篠寺は地元の豪族秋篠氏の氏寺ともいわれていますが、創建の正確な時期や事情はわかっていません。

    776(宝亀7)年光仁天皇の勅願により善珠が創建したともいわれ、これは鎌倉時代の文書『続日本紀』に780(宝亀11)年「光仁天皇が秋篠寺に食封(※注2)一百戸を施入した」とあることから、この年以前の創建であると推測されます。

    桓武天皇の時代には伽藍が整備され、『日本後紀』によれば、806(延暦25)年に崩御した桓武天皇の五七忌が秋篠寺で行われたことが見え、天皇家とも関連の深い寺院であったことがわかっています。

    しかし1135(保延元)年の火災により講堂以外の主要伽藍を焼失、土壇や礎石など当時の姿が僅かながらに残っています。

    現在の本堂は鎌倉時代に再建され、技芸天像や帝釈天像など一部の仏像の頭部は創建時のものであると考えられています。

    ※注1:この像をはじめて「東洋のミューズ」と呼んだのは、作家の堀辰雄で、『大和路・信濃路』のなかで「このミュウズの像はなんだか僕たちのもののような気がせられて、わけてもお慕わしい」と絶賛した。

    「ミューズ」はギリシア神話にでてくる詩と音楽の女神のことで、一般的にはゼウスの娘で9人姉妹とされる。

    ※注2:食封=「じきふ」とは一定地域の世帯から上がる租庸調を給与や寺院の維持費等として支給するもの。

    今年の講座について

    「心と心の触れ合い」を大切に、地域の人々が「つどい・まなび・つながる」場をめざして、さまざまな講座を計画いたしました。

    本年度は人気講座の「平城生涯学習セミナー」や「元気サロン」をはじめ、「探検!奈良の世界遺産」「スマートフォン教室」「平城歴史ウォーク」「親子料理教室」「シニア映画会」「バレンタインコンサート」を引き続き開催いたします。

    また、「夏休み絵画教室」「子どもお天気教室」「親子手芸教室」「パパおすすめ!子どもとアウトドア」などの小学生を対象に親子で楽しめる講座も企画しています。

    新規講座として「落語の見方、演り方、笑い方」「身近な暮らしの薬膳」「かきぞめに挑戦」など、単なる知識や技術の習得だけではなく、自ら積極的に関わっていこうという姿勢を大事にしていきたいと思っています。

    多くの方々のご来館並びにご参加を、職員一同心よりお待ち申し上げています。

    公民館職員紹介

    左から 永井晶、谷村栄治、中井川祐太、菰池武志

    本年度も宜しくお願いいたします。

    [2022年5月]