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あしあと

    こんな講座ありました(奈良学セミナー (後期))

    • 更新日:2018年4月29日
    • ID:8654

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    奈良学セミナー(後期)<中部公民館:2017年10月15日(日)~2018年1月21日(日)全4回>

    この講座は、奈良の歴史や文化について深く掘り下げた内容を学ぶ講座で、知識を深めるとともに知への好奇心を膨らませ、奈良への愛着を持ってもらうことを目的に開催しています。

    中部公民館の代表的な講座です。

    2017年度のテーマは、「奈良を学ぶ、奈良を楽しむ」。

    後期は10月から1月まで、月1回、全4回を開催しました。

    コーディネーターは、帝塚山大学文学部文化創造学科教授の西山厚さんです。

    第1回:10月15日(日)「考古遺物の保存修復から見えてくるもの」

    講師

    講師:増澤 文武さん(公益財団法人 元興寺文化財研究所 名誉研究員)

    木製・鉄製・金属製と異なる出土遺物の保存修理について、方法やその歴史についてお聴きしました。

    考古遺物の不思議な事例として、江戸時代の胞衣(えな)桶をご紹介になりました。

    現代の、子の誕生に際し、へその緒を大事に保管することに通じる点があるのかもしれません。

    また、その桶に描かれた鶴亀松竹の美の世界も、復元によって目にすることができたとの興味深いお話でした。

    第2回:11月12日(日)「宿院仏師の新研究」

    講師

    講師:鈴木 喜博さん(奈良国立博物館 名誉館員)

    戦国時代、宿院町にあった仏師工房は大工集団が始まりです。

    多くの画像資料を用いて、そこで作り出された仏像の特徴を解説していただきました。

    その清潔感や目力に特徴があるとのことで、宿院仏師は南都彫刻史上、異彩を放つ存在だったとのことです。

    第3回:12月24日(日)「室生寺へ」

    講師(西山)

    講師:西山 厚さん(帝塚山大学文学部文化創造学科 教授)

    ご本尊の釈迦如来像が、もとは薬師如来であったこと。

    十一面観音像にはおなかのあたりに飾りがあって、安産祈願に訪れる人もあること。

    雨乞いの場所でもある、「室生の龍穴」の奈良時代のエピソード。

    五重塔を階段の下から見上げることで、より大きくたくましく、美しく見えること。

    ・・・など、1998(平成10)年の台風で壊れてしまった後、かつての美しい姿を取り戻した、女人高野・室生寺について興味深いお話を聴き、室生寺へ行きたくなりました。

    第4回:1月21日(日)「天平文化を読み解く」

    講師()

    講師:松本 伸之さん(奈良国立博物館 館長)

    仏像様式と正倉院宝物の2つの視点で、天平文化の特色を読み解きました。

    シルクロードという交易路を通じて、唐文化が積極的に摂取された時代。

    そののち、日本的な感性の醸成へと移り変わっていきます。

    渡来工が海を渡って来て仏像の技法が伝わり、700年頃からめざましい技術の進歩が見られたのに対し、金属工芸や陶磁器においてはそのような存在がいなかったのではないか。

    このお話で、秋の正倉院展が待ち遠しくなった方もあるのではないでしょうか。

    受講者アンケートより抜粋

    • 奈良に住み生活する者にとってとても興味深く楽しく受講させていただきました。(70歳代・男女不明)
    • 一口に「天平文化華開く」などと言っておりましたが、日本人の芸術性・感性の優れた面と不得意な面があったことを再認識した。(70歳代・男性)
    • 奈良のことがよく解り感謝しています。(70歳代・女性)
    • 毎回楽しみにしています。奈良の歴史・文化、幅広いテーマで開催してください。(60歳代・女性)

    講座を終えて・・・

    多くの方に受講いただき、2017年度も奈良学セミナーを終えることができました。

    さまざまな時代の奈良が、現代の私たちが暮らす奈良につながっていると思うと、感慨深いものがあります。

    2018年度奈良学セミナーは、しみんだより5月号で広報し、5月下旬から開催します。