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あしあと

    こんな講座ありました(登って体感!大安寺古墳群)

    • 更新日:2020年11月15日
    • ID:10887

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    登って体感!大安寺古墳群<春日公民館:2020年10月8日(木)>

    校区内の地図を眺めているときに、ふと目に留まった野神古墳。

    大通り沿いにあるため、普段からよく通っている場所です。

    木が生い茂っている様子は目に浮かぶものの、どんな古墳なのでしょう。

    すごく気になって現地に足を運んだことをきっかけに、奈良市指定文化財(史跡)であるにも関わらず、あまり知られていない野神古墳にスポットを当てたいと考え、講座を企画しました。

    「登れる古墳」という珍しさを発信し、市民のみなさんにこの地域に足を運んでもらおうと、今回の講座は「登って体感!大安寺古墳群」という名前にしました。

    講座では、野神古墳を含む大安寺古墳群について、講師に解説いただきながら現地を巡り、地域の歴史や古墳について学びました。

    最初に訪れた古墳は「野神古墳」。
    団地の一角、大通りからすぐの場所にあるにも関わらず、柵で保存されており、1人で入るのはためらわれます。
    さっそく、古墳の上に登りました。
    あいにくの雨で足元が滑りやすくなっていますが、みなさん興味津々で、「いつも通ってるところやけど、こんなところに古墳があるの知らなかったわ~」と、講師の説明に耳を傾けていました。

    野神古墳を横(西側)から見ると、外からは見えない角度に貴重な石室がしっかりと見えます。
    上にのせられた大きな石は真ん中の石だけ突起のような部分があり、これはロープをひっかけるためのものだと教わりました。

    続いて、北西に10分ほど歩いて「大安寺墓山古墳」へ。
    名前から察すると、古墳なのかお墓なのか・・・?
    古墳もお墓だからお墓ですね。
    墓の山の上の古墳ということのようです。
    現在は、墳丘部分が墓地として利用され、周囲が宅地化されているため、掘り返して調査することができないので、謎が多い古墳なのだそうです。

    最後は、西に10分ほど歩き、「杉山古墳」にたどり着きました。
    登れる古墳として有名なこの古墳は、きれいに整備されており、火・木・土・日曜日であれば自由に見学することができます。
    頂上に登ると、東に大文字山や若草山、西に生駒山が望め、住宅地を一望できます。
    しかし、講座当日はあいにくの雨で、景色を楽しむことができませんでした。
    みなさんには、「ぜひ天気のよい日に改めて足を運んでくださいね~」とお願いしました。

    なんと、この杉山古墳には、大安寺造設時に瓦窯を設けて大安寺の瓦生産を行っていたと考えられる窯跡が見つかっています。
    今回、この講座に合わせて現地の草刈りをしてくださっていたため、復元された窯を見ることができました。
    少し奥にあるため、下見の際にも見れていなかった窯跡でしたので、講師とともに現地を巡ることで、新たな発見ができました。

    本講座では、奈良市埋蔵文化財調査センターの鐘方所長に解説いただきながら現地を巡りました。

    鐘方さんが若かりし頃に発掘調査をしたという杉山古墳では、発掘当時の様子や、伝説として伝わる「杉山古墳には金のニワトリが埋まっている」に基づいて掘ってみたというユニークなお話など、鐘方さんならではのエピソードに、受講生のみなさんも興味津々な様子でした。

    参加者の声

    • 古墳の上へも登ることができ、満足でした。
    • 晴れていればよかったのに…
    • 実際に歩いてみて、地元のことに触れられ良かった。
    • 初めての古墳群だったので、とても興味深かった。
    • 近くても機会がなくて、今日はいい勉強ができました。
    • またいろいろな体感できる講座を期待しています。

    など、たくさんのお声をいただきました。

    講座を終えて

    当日はあいにくの天気ではありましたが、鐘方さんに各古墳の説明をいただきながらの古墳巡りは大変興味深く、発掘当時の様子も交えながらのお話は雨を忘れるくらい楽しいひとときでした。

    普段の生活の中では、なかなか立ち寄らない場所を、ただ巡るだけではなく解説いただくことで、より理解を深めることができたのではないかと思います。

    本講座は77人というたくさんの申込をいただき、みなさんの関心の高さを知ることもできました。

    今回巡った大安寺古墳群の周辺は宅地開発が進み、古墳のある場所がわかりにくくなっており、日常生活の中で古墳が近くにあることを意識しにくくなりました。

    そんな日常の景色に溶け込んだ地域にある学びの資源を、たくさん発信していけるよう、私たち職員も地域のことをもっと知っていきたいと思います。

    今回お申込みいただいたにも関わらずご受講いただけなかったみなさんにも、ぜひ大安寺古墳群を訪ねていただけたらと思います。