こんな講座ありました(まちの歴史探訪~奈良を支える産業・瓦~)
- 更新日:2025年2月13日
- ID:14803
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まちの歴史探訪~奈良を支える産業・瓦~<登美ヶ丘南公民館:2024年10月8日(火)・11月5日(火)全2回>
日本の瓦の歴史は奈良から始まります。
奈良は瓦づくりにおいて重要な立ち位置にありました。
登美ヶ丘南公民館の付近では、中山瓦窯跡や押熊瓦窯跡などがあり、奈良時代に盛んに瓦づくりが行われていたことが窺えます。
この講座では、1回目に古代から現代までの瓦づくりについての講義を聞き、2回目には、前回の学習も踏まえて奈良公園や奈良きたまち周辺の瓦窯跡を訪れ、解説をいただきながら奈良の瓦職人について学びました。
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講座の様子
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第1回 10月8日(火)座学:奈良と瓦
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講師に帝塚山大学文学部、日本文化学科・同大学付属博物館、学芸員の西連寺匠(さいれんじたくみ)さんを講師にお招きしました。
西連寺先生には、昨年度も「奈良市の民俗~村境に関する習俗~」をテーマにご講義いただきました。
今年度、昨年度とも定員を大幅に超える申し込みがあり、西連寺先生の講座は登美ヶ丘南公民館の人気講座の一つです。
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参加者のみなさんが講義前から先生の研究内容が詰まった資料に見入っている中、いよいよ講義が始まります。
日本の瓦づくりの始まりから古代・中世の工房や生産事情などをスライドと共に解説いただきました。
資料もしっかりとご用意いただきましたが、それ以上にたくさんの実際の写真や文献などを見ながら学びました。

講義の後半は、奈良の瓦職人や工房、窯跡、そこに関わる人々の暮らしなどを学びました。
八幡瓦職人と工房に関わる人々や、「瓦屋」「土屋」「農家」の関係性、信仰についてなどの解説を聞きました。
終盤に質疑応答も盛んにされ、みなさんの興味関心の深さが伝わってきました。
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第2回 11月5日(火)現地学習:奈良公園~奈良きたまちへ

近鉄奈良駅に集合し、まずは興福寺南円堂前へ向かいます。
興福寺の瓦窯跡について南円堂前で解説を聞きました。
「奈良駅から興福寺へと向かう道の途中にある南円堂を、じっくりと見る事がなく、解説を聞きながら新たな発見ができました!」と喜ぶ姿が印象的でした。
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南円堂から南へ下り、三重塔へ。
五重塔が有名ですが、三重塔も見事な国宝建築。
こちらにも興福寺の瓦窯跡があり、現在、側壁に葺かれたすべての軒丸瓦には「興福寺」と記されていました。
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奈良公園方面へ向かい、荒池瓦窯跡へ。

奈良公園から東へ移動し、登大路窯跡へ。
柵で囲われていて近づくことはできませんでしたが、登大路瓦窯跡を見学し、資料をもとに解説をしっかり聞きました。
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最終目的地の瓦宇工業所へ向かいました。
瓦宇工業所とは、国宝や重文建造物の補修などにも携わる奈良の老舗瓦企業です。
明治のころから奈良の和風建築の屋根瓦を作られてきましたが、現在は営業しておらず、多くの貴重な瓦を保有されています。
そのいくつかは博物館などで保管されているそうです。

敷地内に入ることはできませんが、瓦宇さんのご厚意で、多数の瓦を出してくださっていました。
伝統的なダルマ窯で瓦を焼いていた瓦宇さんのさまざまな瓦を、みなさんじっくりと観察していました。

龍の瓦が立派で、みなさんの注目を集めていました。
できることならこの瓦たちの説明を職人さんから聞きたいところでした。
瓦の形やモチーフ、大きさなどさまざまで、瓦宇工業所の屋根に葺かれている瓦も見学しました。
普段では見ることのできない瓦を間近で見ることができて、みなさん大満足でした。
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参加者の声
<参加者の皆さまからのアンケートより>
- 瓦の歴史がよく分かった
- 瓦が奈良の経済を回していたことにあらためて気づきました。
- 現地学習が奈良のまた違った面を知ることができ良かった。
- 丁寧な説明がとても参考になりました。
- とても面白く、楽しく学ぶことができました。
- 大変参考になりました
などの多くの感想をいただきました。
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講座を終えて
今回は、座学と現地学習の2回にわたり「奈良と瓦」について学びました。
資料やスライドをもとに事前に学んでから訪問することで、より深い学びにつながったと感じました。
実際に現地に赴くことで、私たちの住むまちの歴史を感じとり、文化財保護の意識を高めることができたのではないでしょうか。
このような歴史的な文化財を後世に引き継いでいかなければならないとあらためて感じました。
今回の講座は本当に多くのお申し込みがあり、残念ながら受講いただけなかった方もいらっしゃいますが、またこのような講座を企画していきたいと思っております。
今後もみなさんの「知りたい」「やってみたい」「学びたい」のきっかけになるような講座を開催できるよう、工夫していきたいと思います。
ありがとうございました。
お問合せ
登美ヶ丘南公民館
住所: 〒631-0013 奈良市中山町西二丁目921番地の1
電話: 0742-47-6375
ファックス: 0742-47-6375
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