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あしあと

    こんな講座ありました(生物多様性と環境保護ーペタキンを守るー)

    • 更新日:2024年8月3日
    • ID:14087

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    生物多様性と環境保護ーペタキンを守るー<都祁公民館:2024年3月23日(木)>

    「ニッポンバラタナゴ」ってご存じですか?

    オスは、繁殖期に虹色のようなきれいな婚姻色になります。

    小さいフナのような金魚のような形をしているので、「平べったい金魚のような魚」ということから「ペタキン」というニックネームがつけられたようです。

    メスは、繁殖期には産卵管がのびてきて、ドブガイに卵を産みます。

    外来種の侵入や環境変化により「絶滅危惧種」になっていますが、近畿大学を中心に保護活動が続いています。

    都祁でも、ペタキンが産卵するドブガイの自生池が見つかったことがきっかけで、昨年から近畿大学によるドブガイ養殖の研究が始まっています。

    今回は、近畿大学のみなさんと、ペタキンを通して生物多様性と環境保護について考えます。

    約20年前に、奈良公園の池でペタキンを発見し、以後保護活動等を続けておられる近畿大学の北川教授と、都祁でドブガイの養殖を研究している中西さんたちが来てくださいました。

    先ずはクイズです。

    水槽に入った2匹のペタキンが出てきました。
    オスとメスがそれぞれ入っているようです。
    どちらがオスで、どちらがメスでしょうか?
    「お化粧をしているような、綺麗な方がメスかな?」「大きい方がオスかな?」など、いろいろ想像して意見を出し合いました。

    こちらが答え。
    紫がかった綺麗な色をしている方がオス。
    地味な色で、産卵管がのびているのがメスでした。
    メスのほうがオスより小ぶりです。

    雨天でしたが、テントを張った池に行きました。
    池の中にはドブガイがいるそうです。
    貝は2つの管を出して呼吸をしているので穴があるとのこと。
    水の上から底を見つめて穴を探しましたが、なかなか見つけられません。

    そこで箱めがねを使って、池の中を覗いてみました。
    「何か動いてる!!」
    飛ぶように動いているものや、ゴソゴソ動いている生き物が見えました。

    網を使ってすくい上げてみました。

    枯葉や泥に混じって、何か動くものが網に入りました。
    水槽に移します。
    このまま部屋まで持って行って図鑑を使って調べてみましょう!

    調べた結果。
    ドブガイ、ヨシノボリ、ミズカマキリ、マツモムシ、トンボのヤゴが見つかりました。

    ドブガイとヨシノボリは近畿大学の方が入れたものです。
    それ以外の虫たちは半年の間に、どうやら外から入ってきたようです。
    羽があるので空を飛べるんですね。
    小さなプールの中に、豊かな多様性が生まれ始めていました。

    閉じているドブガイの殻をピンセットのような道具で少し開いて、中の様子ものぞかせていただきました。
    この道具は、真珠の養殖で、貝の中に「核」を投入する時に使う道具だそうです。

    赤ちゃん貝のサンプルも見せていただきました。
    生まれてすぐはとても小さいけど、エサや温度などの条件がそろえば、1年で数センチに大きくなるようです。

    器具を使って貝の中を覗く体験もさせていただきました。
    貝殻のフチはとても弱いので、優しく扱わないといけません。


    最後に、特製の缶バッチを作りました。
    外来種のミシシッピアカミミガメや、在来種保護、生物多様性など、今回の講座に関係性のあるいろんな写真の中から選んで作りました。

    参加者の声

    • いっぱい教えてもらって楽しかった。
    • 外から見ていてもぜんぜん見えなかったけど、網ですくったらいっぱい生き物がいてびっくりしました。
    • また来たいです。

    活動を終えて

    夏から始まったドブガイ養殖の研究ですが、当初は作った池の水漏れに悩まされ、川から水をポンプアップしていた時期もありました。

    その後、水漏れは止まりましたが、今度はアライグマの侵入があったようで、多くのドブガイが食べられてしまいました。

    それでも、プール生まれの稚貝が見つかるなど、繁殖用の池としての機能しつつあるようです。

    最初はドブガイとヨシノボリだけを投入したのですが、今回、マツモムシやミズカマキリの姿がありました。

    トンボの姿も見かけていたので、もしやと思っていたら、案の定、ヤゴも誕生していました。

    落ち葉が積もってきて、いい具合に自然の池らしくなっています。

    地元の皆さんも協力的で、今回も一緒に話を聞いてくださって、「おもしろそうや」と、今後も池の監視等でご協力いただけることになりました。

    参加した子どもたちも、話を聞くだけでなく、ドブガイを開いて中の様子を覗くなど普段ではできない研究的な活動があったので、興味を持ってくれたようです。

    都祁の素晴らしさを知るとともに、生物多様性や在来種保護活動などに興味関心が広がり、さらに行動につながっていくことを期待したいと思います。