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あしあと

    こんな講座ありました(プチ田舎暮らし・都祁 ―凍豆腐―)

    • 更新日:2022年6月7日
    • ID:11984

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    プチ田舎暮らし・都祁 ―凍豆腐―<都祁公民館:2022年2月13日(日)>

    この講座は奈良市東部地域において地域の自然・歴史・風習・食・技などに触れて田舎の暮らしを知り、農作業などの体験をすることにより、生きがいを感じることを目的として開催しています。

    今回は奈良県の一大産業となった凍豆腐について学び、保存・再現されている道具を使い凍豆腐作りの体験をしました。

    2022年は寒い冬でした。

    講座の当日、11時くらいからみぞれ交じりの雪が降り始めました。

    午後には駐車場の車のフロントガラスが白くなり始めました。

    凍豆腐作りにふさわしい1日でした。

    2020年の「つげの索道と凍豆腐」の様子はこちら

    https://manabunara.jp/0000010862.html


    まず、大豆から白豆腐を作り、その白豆腐を家の冷凍庫で凍らせ凍豆腐にします。

    2020年に続いて大西さんに来ていただきました。

    こちらは、原料の大豆です。
    二晩水につけてあります。

    次に大豆を石臼でひいていきます。
    こちらが石臼。
    昔は水車で石臼を回転させていました。
    その後、電気の粉砕機を使うようになりました。
    今日は、まずは、人力でやってみることにします。

    3人チームになり、1人目が石臼を回します。
    2人目は大豆を石臼の穴に入れます。
    3人目は、石臼の間から出てきた大豆を引いたものをスプーンで集めます。
    この石臼の間から出てきた大豆を「ゴ」といいます。

    ・・・それにしても大変です。

    ということで、手回しの粉砕機やミキサーを使っていきます。

    なるほど楽ですね♪

    家庭用のミキサーを使ってみます。

    順調です。
    さすが文明の利器ですね!

    「ゴ」がたくさんできました。

    「ゴ」を鍋にいれます。
    お湯を加え加熱していきます。

    泡が出てくると「泡けし(石灰と菜種油をこねたもの)」を入れ、さらに煮込みます。

    煮上がると、桶の上の「しき布袋」に「ゴ」を煮たものを入れて搾ります。
    ここで出る搾り粕が「おから」。
    搾り汁が「豆乳」になります。

    さらに強く搾ります。
    袋に棒を絡ませ回転しながら搾ります。
    もう1本の棒を十字にしてさらに強く搾ります。

    こちらは「おから」。
    いい香りです。

    搾られた「豆乳」に「ニガリ」(塩化マグネシウム)を加え、かき回します。
    しばらくすると白いかたまりと黄色く澄んだ水(シミズ)に分離します。

    「シミズ篭」をつかいシミズをとります。

    しゃもじの上で固まり具合を確認しながら白く固まるのを確認していきます。

    「シミズ」で手洗いをすると手がすべすべになるそうです。
    ペットボトルに分けて持ち帰りました。

    水箱に「しき布」を敷き白く固まった白豆腐のもとを入れます。

    水箱に入れた豆腐に重しをのせて圧縮して固めます。

    これを水槽に入れて冷やします。

    できあがったようです。

    水槽で冷やした豆腐を3等分します。
    さらに豆腐小切りを使って、ブロック状にして完成です。

    ちなみに、この道具が豆腐小切りです。

    水槽で3等分した豆腐を機械に乗せ、横に押し、さらに縦に押すとブロック状になった豆腐が正面の四角いところから出てきます。
    これで、白豆腐の完成です。

    白豆腐を夜の温度が零下5℃から10℃になるようであれば板に並べて、野外の板に置き翌朝まで凍らせます。

    翌朝、早朝凍った豆腐を桶に集めて納屋で保存します。

    3日ほど寝かした後、工場で熱湯に戻して搾り乾燥させると天然の凍豆腐の完成です。

    今回は、天然で凍らせるのではなく自宅に持ち帰り冷凍庫で凍らせます。


    ここで、昔のまま今も使える道具、現代のものに変わってしまった道具を紹介します。

    まずは、昔のもので今日の講座で使われたもの(復元して使っているものを含め)を紹介します。

    石臼。

    この石臼を壁に埋め込んで飾りにしている家が都祁にあります。

    都祁の里紹介・・・春爛漫の桜と昔の都祁の里の、凍豆腐のことについて・・・の部分を見てください。

    「ゴ」を大釜で沸騰させるとき、泡けしを入れて攪拌した竹の棒。

    ニガリをいれてシミズを取り除き、できた白豆腐のもとを圧縮するための水箱。

    豆腐を切る包丁。

    豆腐を小切りにする機械。

    これからは、かつて使っていた道具の紹介です。
    当時使われていた木製の桶。

    現在は、プラスチックのバケツや桶を使っています。

    当時使われていた大釜。

    現在はアルミの大鍋です。

    燃料も昔は柴や薪でしたが、現在はプロパンガスです。

    豆乳を絞る時の桶。

    現在は、これもプラスチックの桶ですね。

    最後に、天然の凍豆腐の製造条件について。

    第1条件に、冬の気温が零下5℃から10℃になることです。

    その他の条件は、空気が乾燥すること。

    冬の降水量が少ないこと。

    また、工場の場所は、水車による動力でした(当時は電気がなかった)ので、たくさんの水が必須。

    工場は豊富な水のある川の近くに建てられていました。

    ※これは、その後、動力が発動機に変わり、電気になりました。

    最後に豊富な薪燃料。

    当時は、プロパンガスではなく、薪や柴を使っていたためです。

    また、薪や柴は冬の山仕事になり地域へ経済的な効果を与えました。

    参加の声

    • 都祁の歴史を体験を通して理解でき感謝しています。
    • 食に関することに興味が深く、昔のお話を聞くことができて良かったです。教わったことを家でもやってみます。
    • 京終からの索道の話も楽しかった。
    • 貴重な体験でした。今後もよろしくお願いします。
    • 昔の生活が知れてよかったです。
    • 自然の手作りがgoodでした。
    • 高野豆腐と凍豆腐、納得しました。寒い地ならではの保存食、とても学ばせていただきました。
    • 初めてのことで、とても興味がありました。講師、職員の方の丁寧な説明があり、とても楽しく良かったです。ありがとうございました。
    • TVや本で豆腐作りの知識はあったが、実際、目の前でやっていただくとより理解できました。
    • 凍豆腐の作り方がわかり、長年の疑問が解けました。
    • 凍豆腐までできるかと思っていましたが、豆腐作りだけだったので少し残念でした。でも楽しかったです。
    • 都祁でしかできない地域の料理、風習などの体験に参加してみたいです。

    講座を終えて

    都祁地域の特色を生かした講座への関心が高いことを改めて感じました。

    都祁の特色を生かした講座を今後も多く企画し開催していきます。