こんな講座ありました(プチ田舎暮らし・都祁―ゆったり古代米―)
- 更新日:2024年2月28日
- ID:13360
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プチ田舎暮らし・都祁―ゆったり古代米―<都祁公民館:2023年6月3日(土)~2023年12月2日(土)全6回>
この講座は、都祁の恵まれた自然環境の中で、自然栽培法により、古代米や紅茶などの農産物を生産されている方と一緒に古代米を栽培し、作業を通して田舎暮らしを楽しむとともに、生産者と参加者の交流が深まることを願っています。
今後の予定は、以下のとおりです。
第1回:2023年6月3日(土) 田植え
第2回:2023年7月8日(土) 田んぼの草とり、畔の草刈り、羽釜で炊き込みご飯
第3回:2023年8月5日(土) 田んぼの草とり、畔の草刈り、案山子作り
第4回:2023年10月21日(土) 稲刈り、はさがけ
第5回:2023年11月12日(日) 大豆の収穫、古代米の脱穀
第6回:2023年12月2日(土) 収穫祭(羽釜で豆ご飯、豚汁)
今年度は、都祁で自然農法により古代米、大豆、お茶、お酒などを生産されている羽間農園さんの田んぼの一部をお借りし、ご一家に教えていただきながら「古代米」を栽培し、12月には収穫祭を楽しもうと「ゆったり古代米」のタイトルで講座を始めました。
最近の農業は、機械化が進んでチャッチャと作業が済んでしまいますが、この講座では、羽間さんに教えていただきながら、できるだけ手作業で進めていきます。
途中、鳥獣による被害から米を守るために「案山子」を作ってお米を守ってもらいます。
また、参加者の皆さんに「おいしい古代米」をイメージしていただけるように、2回目の作業後に「羽釜で作る炊き込みご飯」を味わう機会も作りました。
お米は、羽間さんが昨年収穫されたものをいただきます。
そのおいしい味を思い出しながら作業を続けて、12月には、栽培した古代米と大豆で「豆ご飯と豚汁」で収穫祭をします。
第1回:2023年6月3日(土) 田植え
いよいよ1回目のスタートです。
本来なら、田植えの前に苗の準備や田んぼの準備をしなければならないのですが、開催時期の都合上、羽間さんにお願いしました。
おかげで、立派な苗と広い田んぼを使って田植えをすることができました。
今回植えるのは「十種米」と言って、十種類のもみ種をミックスしたものです。入っているのは「赤米・黒米・緑米(以上古代米)と、結び米、満月もち米、ササニシキ、コシヒカリ、京都旭一号、陸羽一三二号、まぼろし米(オリジナル)」の10種類の米をブレンドした「十種米」です。
羽間さんは「結米(むすびまい)」と呼んでおられます。
苗もそれぞれの特長がありますから、丈の長いものや短いものなどさまざまです。
苗箱で育ったものを適当な大きさにちぎり取り、2・3株ずつ取って田んぼに植えていきます。
指でつまんで刺し込んだ後、根っこの部分に泥を寄せてあげて、着床をしやすくしてあげます。
さあいよいよ田んぼに入ります。
あぜに等間隔に並びました。
隣の人との距離がイメージしていたより遠かったようですが、力をあわせてがんばりました。
今後の草とり作業をしやすくするためにも、まっすぐに植えなければなりません。
等間隔に目印のついた糸に合わせて1列ずつ植えていきます。
「大きくなあれ。おいしくなあれ。」と一列植えた後、一歩下がって足跡など凸凹をならします。
一歩下がるとき、泥から足が抜けなかったり、バランスを崩してしりもちをついてしまったりした人もいました。
おしりは泥んこでも顔は笑顔でした。
みんなが一列植えると、目印の糸をずらしていきます。
田んぼの両端で目印の糸を持つ、羽間さん一家の連係プレーが続きます。
1列目、2列目と植え続けるうちに、みんなのペースが上がってきました。
さすが参加者の皆さん、やる気のかたまりです。
「休憩をしませんか?」と声をかけましたが、返事は「やってしまおう。」でした。
ついにあぜの所まで植え終わりました。
当初の予定より広い場所を貸していただきましたので、うれしい反面、作業が終わるか不安がありました。
もし、時間がかかるようなら、機械植えのデモンストレーションを観ていただこうとも話していました。
ところが、この結果です。
皆さんのパワーに感心すると同時に、今後の作業への安心を感じました。
前日まで雨が続き天候が心配されましたが、とてもいい天気でした。
参加者の声
- 前日の雨模様から、天気が回復して良かったです。初めての田植え(手植え)体験ありがとうございました。
- 泥まみれになりましたが、楽しかったです。
- 次回は、苗づくりも見せていただきたいです。
- 夢中で作業を続けていたので帰るまで気づきませんでしたが、すごく日焼けしていて、お風呂に入った時ヒリヒリしました。長袖を着ていたのですが、少しだけ腕まくりをしていたので、そこが焼けたようです。
活動を終えて
梅雨入り直後で前日まで雨が続き、実施できるか心配されましたが、びっくりするほどのいい天気でした。
田んぼわきの側溝はすごい勢いで水が流れていましたが、おかげで長靴の泥を綺麗に洗い流すことができました。
ほとんどの方が初めて体験するようでしたが、羽間さんの指導と皆さんのやる気がかみ合って、どんどんテンポが上がっていくのを感じました。
次回は、日焼け対策をしっかりして、草取りをがんばりましょう。
次回は7月8日です。
1ケ月後にどれくらい大きくなっているか楽しみです。
次回は、田んぼの中の草とりと畔の草刈りをします。
もちろん手作業中心です。
作業の間に羽釜で炊き込みご飯を準備して、後でみんなでいただきましょう!
どうぞお楽しみに。
第2回:2023年7月8日(土) 田んぼの草とり、畔の草刈り、羽釜で炊き込みご飯
今回は、「草取り、草刈り」です。
作業の後は、羽間さんが昨年度収穫されたお米で作った炊き込みご飯をごちそうになります。
田植えをしてから約1か月。
自然栽培ですから、草も元気です。
苗ももう50センチくらい伸びています。
羽間さんが、何度か草とり作業をしてくださいましたが、苗回りには水草が残っています。
羽間さんから、苗を抜かないように、水草を取っていく手順を教えていただきました。
妹さんにブレイン体操で準備体操をしていただきました。
慣れない泥の中での腰をかがめた作業になります。
前回も、作業が終わってから足や腰が重く感じた人が多かったようです。
準備体操と日焼け対策はしっかりして作業に臨みましょう。
いよいよ作業の開始です。
畔に一列に並んで、苗を踏まないよう気を付けながら水草を抜き取っていきます。
抜き取った水草は、袋に入れ、まとまったら畔に捨てます。
腰をかがめての作業はじわりとこたえますが、曇天のおかげで日焼けに悩まされることはありません。
まずまず気持ちよく作業が進みました。
時折吹く風が気持ちよいです。
袋に詰まった水草を、時々畔に捨てに行きました。
小さな水草ですが結構な量と重さがありました。
それではお楽しみの昼食です。
雨が心配だったので、外でなく羽間さんのお家で昼食をいただきました。
昨年収穫されたお米や農園で収穫したものを使った炊き込みご飯とお味噌汁です。
炊き込みごはんは、薪ストーブを使って土鍋で料理してくださいました。
お味噌は、農園の畔で植えている大豆、熊野の海水を煮詰めて作った塩、田んぼで採った麹を使った自家製だそうです。
羽間さんの日常についてのお話もしていただけました。
羽間さんの自給自足生活の幅広さに、参加者の皆さんの感心・関心が高まっていきました。
味はもちろん抜群です。
参加者の方から「おかわりしても良いですか?」の声が続きました。
参加者の声
- とても美味しかったです。ありがとうございました。
- 自然農法をされている羽間さんにいろいろお話が伺えてうれしいです。
活動を終えて
今回は曇天のおかげで比較的心地よく活動していただけたように思います。
羽間さんにはお手数をおかけすることになりましたが、参加者の方にとっては、想定以上の感動につながっていたように思います。
ありがとうございます。
次回、8月も草取りが続きます。
地道な作業が続きますが、その後は、自作の案山子がお米を守ってくれます。
みんなでがんばりましょう。
秋の収穫祭が一層楽しみになってきました。
第3回:2023年8月5日(土) 田んぼの草とり、畔の草刈り、案山子作り
3回目は、草取りの後で案山子を作る予定でしたが、羽間さんが草刈りを済ませてくださいましたので、「案山子作り」に専念することになりました。
前回から予告していたこともあり、皆さんズボンやシャツなどの古着を準備してくださっていました。
羽間さんご一家も一緒に、私たちのお米を守ってくれる「案山子づくり」が始まりました。
先ずは、準備体操から。今日の作業はそんなに体を動かすことはないですが、心の準備と体の準備をしました。
約2メートルの竹を体の芯に使い、短めの竹を腕にして基本の形を作りました。
竹を組み合わせて針金で縛る時など、1人では作業しにくい時はお互いに助け合って作っていきました。
丈の骨格に、自分で持ち込んだ古着を着せていきます。
少しずつ案山子らしくなっていきました。
顔は、わらや布の余りを束にして上から白いシャツなどをかぶせ、その上から目や口をマジックで描きました。
かわいい表情にするか、怖い表情にするか悩みながら顔を描いていきました。
完成したものから立てかけていきました。
着なくなった古着を使ったもの、黒いビニール袋を使ったものなど、なかなかユニークな作品が出来上がったようです。
案山子と一緒にみんなで記念写真を撮りました。
もちろん、後ろが案山子で前が参加者です。
それぞれ、自分が作った案山子とツーショット写真を撮りました。
今日からは自分の分身としてこの案山子たちがカラス・カモ・スズメ・シロサギ・アオサギなどによる空の敵と、イノシシ・シカ・アライグマなどによる地上の敵から、みんなで植えた古代米を守ってくれ・・・ます。
案山子の皆さん、10月の稲刈り、11月の脱穀の日まで、田んぼの警護よろしくお願いします!
参加者の方がお茶の用意をしてきてくださいました。
作業小屋でサプライズ企画で、野点を楽しませていただきました。
みなさん、ほっと一息、ゆったりとした休憩タイムでした。
羽間さんが普段使っておられる山からの湧水の話を前回の炊き込みご飯をいただいたときに聞かれたのがきっかけで、今回のサプライズ企画になったようです。
子どもさんも、初めて見る野点だったのでしょうか、お盆の上に座ってでしたが、興味津々でその様子を見ていました。
おいしいお茶をいただき、ありがとうございました。次回への活力につなげてがんばりましょう。
参加者の声
- 普段できないことを体験できて良かったです。童心に帰って、案山子づくりが楽しかったです。
- 手作りの案山子が、害虫・害獣を追い払ってくれることを楽しみにします。
- 野点も良い景色の所でできて、美味しかったです。皆さん、ありがとうございました。
活動を終えて
皆さんが作った案山子が、ずらりと田んぼに並びました。
9月は活動がありませんが、10月の刈り取りの日まで、皆さんの代わりに害虫・害獣からお米や大豆を守ってくれることでしょう。
また、参加者の方による野点も楽しんでいただくことができました。
天気にも恵まれて、ほっと一息。
ゆったりした時間を楽しんでいただけたのではないでしょうか。
ただ、羽間さんによると、「この田んぼは風の通り道になっている。」ようで、台風の時には一時避難してもらうことになるかもしれません。台風が来ませんように。
第4回:2023年10月21日(土) 稲刈り、はさがけ
春からお世話を続け、案山子に見守られてきた古代米などの十種米が、いよいよ収穫の時を迎えました。
十種類の米が混じっているので、早く実り始めるものもあれば遅いものもあります。
収穫のタイミングは指導いただいている羽間さんの判断です。
さすが、当初に予定した時期に刈り取りができるようになりました。
皆さん張り切って稲刈り鎌を持って集合してくださったのですが、前日に雨が降り田んぼの中には水が溜まっている状態で、長靴をはいていないと入れない状態でした。
先ず、羽間さんのお手本です。
ザクッ、ザクッとリズムよく稲の束が切れていきました。
刈り取った稲は、ある程度の束になるように、まとめて置きます。
続いて、参加者の皆さんも田んぼに入って刈り始めました。
田植えの時とは逆に、畔の方から刈り取りながら進みました。ぬかるみに足を取られそうになりながら頑張りました。
慣れてくると、リズムよく、どんどん前に進んでいきました。
稲によっては、片手でつかみきれないほどの太い株もありました。
羽間さんに聞くと、機械植えでなく手植えで間隔を広くとれるように植えているので、株が太くなるということでした。
刈り取りが終わったら、はさがけの準備です。
昨年の稲わらを使って、一束ずつ束ねていきます。
羽間さんに束ね方を教えていただきました。
最後にキュッと留めるのが難しいのですが・・・。
ハイ。
できました!!
「バインダー」という、刈り取って束ねる機械も使わせていただきました。
すごく速くて便利な機械ですが、足元がぬかるんでいるのでバランスをとるのが難しいです。
ターンする時も羽間さんにしていただきました。
最後に、束ねた稲を「はさ」にかけていきます。
束ねた稲をハの字に開いてかけていきます。
足元がぬかるんでいるので、リレー方式で渡しての作業です。
1列の「はさ」では足りなくなったので、もう1列付け加えました。
予想以上の収穫に大満足です。
稲刈り・はさがけの作業終了です。
しばらく太陽の光をいただきながら乾燥させます。
その間も、スズメなどに狙われますので、案山子たちに見守りを続けてもらうことにしました。
スズメは、誰かが田んぼで作業をしているときは、近くの電線で待っていてジーっと見ています。
人の姿が見えなくなるとブワーッと、はさに群がってきます。
見かねた近所の方が連絡をしてくださるので、急いで田んぼに行くと、そそくさと電線の上に逃げて行くそうです。
鬼ごっこです。
テープやネットを張ってスズメの予防したこともあったようですが、風で外れて道路の方に流れ、通行する車や人に迷惑をかけたので、その方法は止めたそうです。
今年は、みんなで作った案山子の力で守ってもらいましょう。
それでは案山子さん、後はよろしくお願いします。
前にあるのが、バインダーという機械です。
参加者の声
・水が多くて大変でした。
・米農家さんの苦労がよくわかりました。・楽しく作業させていただきました。
・いろいろ貴重な体験をさせていただきました。皆さん温かく、本当に楽しいです。ありがとうございます。
活動を終えて
前日の雨の影響で、ぬかるみの中での作業でしたから、泥に足をとられてしりもちをついてしまった方があるなど、慣れない方には大変な作業になったと思います。
それでも、皆さん刈り取って、束ねて、はさにかけてと手作業を楽しんでいただけたようです。
バインダーを使った時短作業も「楽しみ」と考えていただけたようで良かったです。
大規模農業で効率的な栽培が主流になる一方、自分食べる分だけ栽培されている小規模栽培農家であったり、小さな田んぼが重なる棚田の保全・景観保護が求められたりもしています。
その多くは、大型機械が入らず、小型機械や手作業による作業になります。
大型の機械は高額の上、細い田んぼには入りません。
そこでこのバインダー!なのですが、今はもう生産はされて無く、必要な人は壊れた機械から部品をとって修理して使っているそうです。
バインダーなど米作りの軽量・安価な小型機械の製造販売は、企業側にはメリットの無いことなのかニーズが少ないからでしょうか販売が終了してることが多いです。
ボランティアがたくさん集まってくるなど、手作業による景観保全活動が順調な地域であっても、小型の機械があれば作業がはかどって助かると思っています。
高齢化が進む農山村では、使っている機械が壊れ修理できなくなった時が農業をやめる時になりがちで、それが原因で荒れ地が増えることも多々あります。
ちなみに、家庭菜園用の小さな耕運機は開発・販売されています。
「小規模栽培農家が必要な、安価で小型の農業機械の開発・販売の復活はしてもらえないのかな。」
そんなことをふと思った今回の稲刈り作業でした。
第5回:2023年11月12日(日) 大豆の収穫、古代米の脱穀
はさにかけて乾燥させてきた稲から米を取り出す脱穀作業の日となりました。
2日前に雨が降って、この日も午後から雨の予報がありましたが、このまま放っておくとスズメに食べられてしまいそうなので、脱穀をすることにしました。
「足ふみ脱穀機」や「唐蓑(とうみ)」は、羽間さんが大家さんから譲り受けられたものなどです。
2セットお持ちですが、唐蓑の1つには、「昭和27年製」の文字が残っていました。
大切に修理しながら使っておられるものです。
直前まで秋にしては暑い日が続いていましたが、いよいよ都祁の地にも冬が近づいてきたようです。
特に、昨日あたりから温度がグンと下がっていました。
集まってきた方の第一声は「寒い~。」でした。
まずは、いつもの準備体操で体を温めました。
足ふみ脱穀機の使い方を教えていただきました。
足ふみミシンと同じ要領で、ドラムを回転させます。
グッと踏み込むと思ったより、すごい勢いで回りました。
引き込まれるとケガにつながってしまいます。
楽しみつつも、慎重に。
足で踏み台を踏んで回転させながら、稲穂をドラムの針金を曲げて作られた歯に当てて落とします。
そぎ落としたものから、わらくずなどが出てくるので取り除きます。
唐蓑を回しながら、米を入れます。
風で、わらくずや実っていない米などが飛んでいきます。
風が弱すぎると分別できないし、強すぎると米まで飛んでしまいます。
分別されて、しっかり実った米が出てきました!!
それでは、参加者の皆さん。
自分たちでやってみましょう!
はさから稲を下ろして、リレー方式で稲穂を足ふみ脱穀機の方に運びます。
足ふみ脱穀機を使って脱穀をします。
そこそこの勢いで回転しているのですが、稲穂を歯に当てた瞬間・・・グっと重みが加わって回転が急激に落ちてしまいます。
そこは踏ん張って足ふみを続けます。
でも、穂先にも目をやりながら、手が巻き込まれないようにも注意しながらの作業です。
なかなか、難しい。
足ふみ役と、稲の入れ役を2人で分担して行う様子もありました。
どちらもどちらの気を使いながら息を合わせての作業になります。
並行して、畔に植えていた大豆の収穫もしました。
大豆の葉っぱが落ちて収穫の良いタイミングでした。
豆が落ちてしまわないように気をつけながら、慎重に枝を抜いて土を落とします。
抜いた大豆の苗を、稲を下ろした「はさ」にかけていきます。
根っこ同士をからませて、交互に重ねていくと、ひもなどで止めないでも落ちないようになります。
うまくできていますね。
さて脱穀現場に戻ります。
人力の手作業が続いています。
ひたすら足ふみ脱穀機を回しながら、ひたすら稲穂を当て、ひたすらわらくずを取り除き、ひたすら唐蓑でわらくずなどを引き飛ばし・・・ただ、ひたすら米を脱穀する作業が続きます。
「機械って便利」。
そんなことを思いながら、この作業を続けていきます。
大豆の収穫やはさがけが順調に進んだので、上の田んぼや下の田んぼのあぜに植えられている大豆の収穫もお手伝いすることにしました。
人が多いので、作業はどんどん進んでいきました。
なかなか脱穀作業は進みません。
軽トラックの荷台でも、もう一台の足ふみ脱穀機です。
準備していた脱穀機フル稼働です。
脱穀機フル稼働ですが講座の終了予定の時間が近づいてきました。
このままでは終わらない。
「ゆったり」とか言っておられなくなりました。
終に、機械の力を頼るときが来ました。
コンバインの出動です。
羽間さんの手際の良さの素晴らしいのと相まって、さすがコンバイン。
稲穂をどんどん脱穀していきます。
2台の足ふみ脱穀機とコンバインのおかげで、予定していた脱穀と大豆の収穫を終えることができました。
「機械って便利」。
休憩時間なしで、交代しながら米の脱穀と大豆の収穫・はさがけを終えることができました。
今日の作業で、米は「籾(もみ)」という皮のついた状態になりました。
この後の作業は羽間さんにお願いしています。
むしろに籾を広げて天日干しでもう少し乾燥させた後、「籾摺り(もみすり)という籾を籾がらと玄米にする作業です。
お米は、玄米の状態で保管し、食べる時に白米にします。
次回「収穫祭」では、案山子を片付けた後、「豆ご飯」をいただきます。
参加者の声
- 昔ながらの作業の体験ができて良かったです。
- 米作りのいい勉強ができました。
- 毎回楽しいです。ありがとうございました。
講座を終えて
今回も、時間の都合があり、人力だけでは終わりそうにありませんでした。
最後はコンバイン=機械の力を使った作業となりました。
稲を運んだりといった作業は人数の力でうまくいきましたが、足ふみ脱穀機や唐蓑を使った作業は、体力・根気・時間が必要な作業でした。
手作業だけでは予定していた時間内ではとてもできそうもありません。
最終的には機械の力を借りる心づもりはしていましたが、こちらは手作業での農作業にこだわっていたので、参加していただいた方にとってどうだったのか・・・と迷ったところでした。
結果として参加した皆さんの笑顔に救われています。
これで、脱穀までの作業は終わりました。
乾燥・籾摺り・精米の作業は羽間さんにお願いすることにしていて、次回はいよいよ今回収穫したお米で「豆ご飯」を食べて収穫祭をします。
第6回:2023年12月2日(土) 収穫祭
6月の田植えから始めた活動も、いよいよ最終回となる「収穫祭」の日を迎えました。
先ずは、体操で体を温めました。
最近急に寒くなってきていたので、参加者の方に防寒対策をよびかけていたのですが、それでも「都祁はやっぱり寒い。」と震えている人もいらっしゃいました。
8月に作った案山子は、色あせたりしてボロボロになってきていました。
長い間、参加者の代わりに鳥獣害から米を守り続けてくれていました。
案山子の活躍をねぎらいながら、解体していきました。
芯となっている竹はまた来年の活動の時に使えるように残しました。
案山子の片付けが早く済んで、昼食予定時間まで時間の余裕があったので、羽間さんに後日お願いしていた「はさ」の片付けもすることになりました。
大人数で行うと早いですね!
田んぼに立っていた「はさ」は、見る見るうちにトラックに載せられ、小屋に運び込むことができました。
羽間さんのお家に移動して、お楽しみの収穫祭の始まりです。
収穫したお米を羽釜で炊いたご飯と豚汁とお漬物です。
ご飯は、玄米と5分づきと7分づきの3種類準備してくださいました。
豚汁の具やお味噌は、羽間さんの自家製です。
塩も、熊野で汲んできた海水を煮詰めて作られたものだそうです。
水も山の清水を使われていて、収穫したお米だけでなく、自給自足の素晴らしさを味あわせていただきました。
羽間さんご夫婦から、ご飯や豚汁の具材や調味料のことについて説明をしていただきました。
自然の恵みを余すところなく活かした生活に、感動するほかありませんでした。
ご飯、豚汁、お漬物をいただきました。
この時ほど、一口一口味わいながらいただいたご飯は、なかったように思いました。
かみしめてかみしめて、ついおかわりもしていました。
おみやげに「結び米」をいただきました。
玄米としてこのままいただくか、白米に混ぜていただくか、皆さんの夢が広がりました。
田植えから収穫祭まで、汗と泥にまみれながらの作業でした。
泥に足をとられてしりもちをついてしまった人もありました。
慣れない作業に、翌日体が痛くなった人もありました。
それでも、みなさん手作業中心の米作りを楽しんでいただけたようです。
頑張った自分に拍手。
頑張った仲間に拍手。
活動の場を提供いただき、いろいろお世話してくださった羽間さんご一家にお礼の拍手をして、講座を終わりました。
参加者の声
- とっても楽しかったです。今回最後の会なのがさびしいです。
- 毎回とても楽しかったです。
- なかなか役立つことができなかったですが、楽しかったです。
- 農業の大変さがよくわかりました。
- 地域に根付く米作りが出来て楽しかったです。
- 所用が重なり、全講座出席できませんでしたが、皆さんの協力で収穫できて良かったです。
講座を終えて
初めての講座でしたので、計画を持ちつつも状況に応じて変更しながら、手探りで進んでいきました。
羽間さんご一家のご協力と参加者の皆さんの粘り強い仕事ぶり、そして、地域の皆さんのご理解のおかげで、無事6回の講座を終えることができました。
予備日も作っていましたが天候にもまずまず恵まれた1年だったと思います。
昔ながらの道具をできるだけ使って手作業にこだわりましたが、最終的にバインダーやコンバインを使わざるをえない場面もありました。
それはそれで、いろいろな経験になってよかったのではと思いました。
後日、広島の学校で家庭科を教えておられる先生から財団のホームページの米作りをしていた田んぼの畔で「畔豆」を作っている画像を見て、「土地の有効活用の視点で研究授業をするのだが、その際に、講師として生徒に話をしてほしい。」と依頼があり、なんと羽間さんが広島まで招待されるという、新しいつながりもできました。
初年度の反省を活かして、来年度もより楽しい講座にしていきたいと思います。