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あしあと

    こんな講座ありました(都祁散策(ナイトハイク―田の虫送り―))

    • 更新日:2023年9月11日
    • ID:13385

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    都祁散策(ナイトハイク―田の虫送り―)<都祁公民館:2023年6月16日(金)>

    この講座は、都祁地域内の名勝や歴史に触れながら散策し、合わせて豊かな自然を巡る講座を行い、都祁を知り参加者の交流を図ることを目的として開催しました。都祁の地には、現在、2カ所で「田の虫送り」の行事が受け継がれています。

    2020年に針ケ別所町の田の虫送りの見学をさせていただきました。

    その時の様子はこちら↓

    こんな講座ありました(都祁散策(ナイトハイク ―虫送り―)

    この時は、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった時期でしたので、参加者は松明を作りませんでした。

    そのかわり、地域の方と公民館職員が作った松明を参加者の方が持って、田の虫送りに参加しました。

    今回は、参加者の皆さんが自分が持つ松明を自分で作って参加です。

    今回の講座は、都祁公民館ではなく、小倉町のふれあいホールに集合です。

    今回、材料の準備や松明の作り方を指導いただく小倉町の皆さんです。
    小倉町では、数年間新型コロナウイルスの影響により、この行事も中止や縮小をせざるをえない状況にありました。
    今年度、この講座の開催を相談したところ、自治会やお寺の役員の方々で相談いただき、講座として受け入れていただけることになりました。

    松明作り用の材料も人数分準備してくださっています。
    前の年に切り倒した竹や、山から杉の葉を集めてきて、燃えやすいように乾燥させてあります。
    本当にありがとうございました。

    まずは松明を作りました。
    事前に作られた見本を見せていただき、続いて、手順に沿って作り方のお手本を見せていただきました。

    割られた竹を松明の形にして、点火用の杉葉を先に挟み込むようにして、更に竹で挟み込みます。

    竹の量を増やすと、太くて丈夫になりますが重くなります。

    体力も考えて太さや長さを調節します。

    麻のひもで仮止めをして形を整えたら、縄を使ってきつく縛ります。

    締め方がゆるいと途中で松明が崩れてしまいますし、縄の縛る数が少ないと途中で燃え尽きて松明がバラバラになってしまいます。

    足で押さえながらしっかりと縛ります。

    出来上がった見本を持たせていただきました。
    ずしりと重さを感じました。燃えながらだんだん小さくなるとはいえ、約30分間持って歩くことを考えて、自分の松明作りにチャレンジしました。
    2人ずつ組になって、互いに協力しながら作りました。

    小倉町の皆さんと、パートナーの応援を受けて、自分の松明ができました。

    続いて、「田の虫送り」について説明です。

    この行事は、江戸時代に虫(ニカメイガ)による農作物への被害が多発し、松明の光で虫を集め、集落の境まで連れて行って退治したのが始まりのようです。

    近隣地域一斉にすることで効果が上がるので、毎年6月16日と決まった日に実施されてきました。

    お寺で祈祷し、お札を持って行きます。

    以前はお寺から6方向へ虫送りを行っていましたが、最近は2方向のみで、残りの4方向はお札のみの配布になっているそうです。

    なんでも、小倉町の虫送りの終点は、他の地域からの虫送りの終点でもあるらしいです。

    小倉町には「虫送り」の他にも、「茅の輪くぐり」や「観音講」という行事も残っていて、資料の写真や昔のビデオを見せていただきました。

    説明を聞いた後、いよいよ観音寺に向けて出発です。
    隣に立てて持っているのが、自分で作った松明です。
    2メートルはあるでしょうか?

    集合場所の小倉町ふれあいホールから観音寺まで移動です。

    My松明を持って歩いています。

    まだ明るさが残る道でしたが、だんだん日が暮れてくるにつれて、道中、参加者の方々が「いい景色ですね」「蛍見れるかな?」「写真撮れるかな?」など話がはずんで、虫送りへの気分が盛り上がってまいりました。

    観音寺に着くと、地域の方々も集まってこられていました。

    新型コロナウイルスの感染防止のため「各家庭で松明は1本だけ」と限定された時期もあったようです。

    でも、今年は制限なしです!

    地元を離れて住んでいる子どもたちも家族と一緒に帰って来て参加されているらしく、昨年度に比べて、かなりにぎやかな雰囲気でした。

    観音寺のお話や、虫送りのお話をさらに教えていただきました。

    また、法要まで少し時間がありましたので、お堂の中に入ってご本尊などを近くで見せていただくこともできました。

    しばらくすると法要が始まるということで、お堂を出て見学させていただきました。
    手前左側にずらりと並んでいるのが、今回の参加者が作った松明です。

    これは、「田の虫送り」のはやしことばです。
    先導する太鼓の音に合わせてこの言葉を言いながら歩きます。
    「たのむしおくりや なすびも かぼちゃも やけやけや」
    なんでも町によって、はやし言葉は違うとのことです。

    虫供養の法要が終わり住職さんから燈明の火をわけてもらいます。
    燈明の火を薪に分火します。
    松明に火をつけていきます。
    先ずは、遠くまで行くコースの皆さん。
    続いて、「川尻地蔵摩崖仏が終点」のコースの皆さん。
    そして、最後に私たちが松明に分火させていただきました。

    松明に火が付いたら、順次行列に加わっていきます。

    お寺を下りたところで、おさがりのお菓子をいただきました。

    田んぼ沿いの道を、松明を持った人の列が続きます。

    松明の先を下げると、なかなかの勢いで燃え始めます。

    先を上げると少し勢いが収まります。

    上げたり下げたりしながら炎を調整して進みます。

    田んぼの横では虫が集まってくるように松明を田んぼに近づけて歩きます。

    幻想的な雰囲気の中、川尻地蔵摩崖仏をめざして松明の列は、ゆるゆると進んでいきます。

    別に誰が号令したわけでもなく、綺麗な松明の列ができています。

    途中で松明の火が消えそうになった人もいましたが、近くにいる人から火をもらって復活です。

    30分くらいかけて川尻摩崖仏に到着です。

    あっという間な感じがしました。

    松明の残りは、まとめて近くで燃やします。

    ふれあいホールまで、余韻を振り返りながら歩いていると、山際でホタルが光っているのが見えました。
    「虫送りの松明も楽しみだったけど、ホタルに会うのも楽しみだったんです。大満足です!」との声も。

    参加者の声

    • 小倉町の皆さんには、材料集めから作り方の指導、歴史的なことの説明など、大変お世話になりました。
    • 皆さんの温かいサポートに大満足です。ありがとうございました。
    • ホタルにも出会えてとても良かったです。

    講座を終えて

    コロナ禍の後で、いろいろ心配することがありましたが、何度も話し合いを重ね開催することができました。

    お世話いただいた大和高原文化の会の5人の皆さん、安全確保に協力してくださった都祁スポーツ協会の皆さん。

    小倉町の自治会長さんや観音寺の役員の方々、地元の皆さんのご理解とご協力のおかげだと思います。

    2022年度下見をさせていただきましたが、その時に比べると今年度は地元を離れている方もたくさん帰ってこられたようで、松明の列にも迫力がありました。

    小倉町は普段から水質環境の浄化活動をされている成果でしょうか。

    たくさんのホタルに出会うことができました。

    これは今回、参加いただいた皆さんにとって、2重3重の楽しみになったのではないかと思います。

    あらためて、小倉町の皆さん、本当にありがとうございました。